No.5 ススキ

学園創生期の写真をみると、マツとススキの丘が広がっている。当時この丘は茅山(かややま)と呼ばれており、ススキの草刈り場だったそうである。家畜の飼料や屋根葺きの材料として、古来より有用植物である。咸宜園の建物の屋根には大量のススキが使われている。

ススキの和名は「すくすく」に由来しているようで、生長の速いようすをよく示している。秋の七草の一種であり、また中秋の月見にはサトイモや団子と共にススキが供えられる。身近で大切な植物である。花穂を動物の尾にみたてて、尾花とも呼ばれる。

現在の学園では、樹木が大きく成長し、日当りを好むススキは少なくなってしまった。しかし、夏の間には緑の中で目立たなかったススキも、秋になると花穂を高く伸ばして存在を主張している。風情ある花である。建物や道路沿い、東山付近ではススキを見ることができる。

玉川の歴史と共に歩んできた植物である。

(文学部助教授 梅木信一)
「全人」2002年9月号(No.650)より

ススキ(薄、芒、尾花)

学名:Miscanthus sinensis
別名:オバナ、カヤ、テキリグサなど
イネ科の多年草で山野に普通に見られる。高さ1~2mとなり、茎は根元から密生し株立ちとなる。日本の乾燥した陽地の草原を代表する草本である。
花期:8月~10月