No.6 ヒマラヤスギ

自然樹形がスギに似ており、この和名がついた。しかし、葉は明らかにマツ科の針状である。秋に開花し、雄花からは黄色の花粉が風に舞う。大型の球果は翌年の秋に成熟する。種小名のdeodaraは「神木」の意味である。自生地は低温で乾燥の気候であるが、日本の森林限界をはるかに超えた標高4,000mにまで生育する。

円錐形の雌花と穂状の雄花

日本には1879(明治12)年頃に初めてインドから種子が導入された。初代のものを新宿御苑や横浜の山手公園で見ることができる。緑白色の新しい葉と暗緑色の古い葉とのコントラストが独得で、剪定や刈り込みにもよく耐える。最近では枝垂れや葉色の美しい園芸品種もある。

玉川の丘では、創設初期の労作による植樹か、小学部、高等部、旧中学部敷地周辺に古木が多い。工学部玄関わきを含め、胸高幹周2mを超えるものが20個体近くも健在である。例年美しく装飾される正門、玉川池の端正なクリスマスツリーも実はこのヒマラヤスギである。

(農学部講師 山岡好夫)
「全人」2002年10月号(No.651)より

ヒマラヤスギ

成熟間近の球果

学名:Cedrus deodara
別名:ヒマラヤシーダー
マツ科ヒマラヤスギ属
ヒマラヤ山脈、アフガニスタン原産。常緑針葉高木で雌雄同株。幹は直立し高さ20~30m、原産地では50mに達する。