No.7 イロハモミジ

礼拝堂にいたる階段

丘を吹き抜ける風が日増しに冷えてくる。緑濃かった木々の葉も紅色や黄色などに染まってくる。この季節の主役にカエデ類がある。イロハモミジはその代表格。手のひら状の葉は端から順にイロハニホヘトと5~7つの裂片となる。京都の紅葉の名所「高雄山」の名をとって、タカオカエデともいう。カエデは「カエルの手」からきている。

朝夕の冷え込みが一段と厳しく、昼夜の温度差があるほど燃えるような紅葉となる。温度の低下とともに葉柄の基部に離層がつくられ、日中に葉でつくられた糖分の流れが妨げられて葉に蓄積され、赤色素のアントシアンが合成される。同じ木でも光の当たり具合や空中湿度などによって色づきに変化がみられる。最低気温が5~6度を割ると急激に紅葉が進むといわれる。

秋の真っ青な空と日の光を透してみる紅葉は何と美しいことか。やがて葉は空を舞い、静かに大地に帰る。木々の枝や鳥たちの姿が目立ってくると、冬の始まりである。

(女子短期大学助教授 石川晶生)
「全人」2002年11月号(No.652)より

イロハモミジ(伊呂波紅葉)

イロハモミジの翼をもつ実

学名:Acer palmatum
別名:タカオカエデ、イロハカエデ
カエデ科カエデ属
花期:4月~5月
落葉小高木~高木