No.10 モミジバスズカケノキ

短大第Ⅰ校舎脇

黄金色の枯れ葉が風に舞い散ると、白く鮮やかな樹幹がひときわ目立つ。外樹皮が大きく剥がれたモザイク模様はプラタナスの特徴である。陽光を求め細やかに配置された枝先には、褐色の実が鈴なりになる。この集合果の外観は修験者が着る篠懸衣(すずかけごろも)の房に似ており、和名である「篠懸(すずかけ)の木(き)」の由来となった。

日本に植栽されているPlatanusは、原産がヒマラヤなどのスズカケノキ、北米のアメリカスズカケ、種間雑種のモミジバスズカケがある。属名の起源はギリシア語のPlatys(広い)で、形こそ多少異なるが3種とも幅の広い葉身を持つ。

夏、森を彷彿させる巨大な樹冠

玉川の丘の古木はすべてがモミジバスズカケである。葉形や樹肌など両親の中間的な性質を示す。実が果軸に2~3個(まれに1個か4個)つくことでも見分けがつく。松陰橋と小学部間の斜面の2個体は見応えがある。さらに短大玄関脇の1個体がすばらしく、創立初期の植栽らしい。この種ではまれな自然樹形で、樹高約27m、胸高幹周2.7mの風貌は、遠景でも充分な気品が感じられる。

(農学部講師 山岡好夫)
「全人」2003年2月号(No.655)より

モミジバスズカケノキ

スズカケノキP.orientalis
集合果は果軸に3~6個つく

学名:Platanus X acerifolia
スズカケノキ科スズカケノキ属
別名:カエデバスズカケノキ・プラタナス
スズカケノキとアメリカスズカケノキの種間雑種で、イギリスでつくられた。落葉高木で高さ約30mになる。