No.11 シダレザクラ

農学部前のシダレザクラ

やはり日本の春は桜であろうか。その中でも一足早く春の訪れを感じさせてくれる種類がある。教学事務棟から農学部に向かって歩いていくと、道が左へ大きく曲がり、その真正面に淡紅色の可憐ながらも凛とした花が、瀧のごとく幾重にも枝垂れて咲き競うシダレザクラが目に飛び込んでくる。やわらかな陽射しにつつまれ、穏やかな風に揺れる優雅な姿は、春をこの丘に迎えたことを誇らしげに告げているかのようである。また、聖山や小学部などでみることができる。

このシダレザクラなどエドヒガンの仲間は開花時期が早い。がく筒が壺形にふくらんでいること、葉が長い楕円形であること、また寿命が長いことも特徴的である。各地で巨木に生長し、天然記念物となっているものもある。この品種の特性である「枝垂れ」の原因は、枝の伸長の速度に木化が追いつかないことにある。

シダレザクラに続きソメイヨシノなどが開花すると、玉川の丘はいよいよ春一色に染まっていく。

(女子短期大学助教授 石川晶生)
「全人」2003年3月号(No.656)より

シダレザクラ(枝垂桜)

がく筒が壺形にふくれている

学名:Prunus pendula
バラ科サクラ亜属
別名:イトザクラ(糸桜)
落葉高木、エドヒガン系の園芸品種、細い枝が垂直に垂れ下がる。
花期:3月中旬から下旬