No.12 キリシマツツジ

小原記念館への登り口右手のキリシマツツジ

春たけなわ、丘の木々は一斉に花咲き、若々しい葉を展開している。暖かく穏やかな陽気に誘われて丘をゆっくり歩くと、鮮やかな赤、ピンク、紫、白色とさまざまなツツジが輝いている。

根元が約10本の みごとな古木

小原記念館に登る坂道の右手には緋色のキリシマツツジの古木がある。周囲のツツジよりひときわ高く伸びた太い幹がよく目立つ。創立期に植えられたらしく、高さは約3m、根元は10本くらいの株立ちとなって、最も大きなものは幹周が30cmもある。品種名は「ホンキリシマ」である。周囲のコナラやカキノキなどの木陰のせいか花数は少ないものの、気品ある樹形に毎年鮮やかな花を見せてくれる。

キリシマツツジは鹿児島県に自生しているツツジから選抜されたもので、江戸時代には大流行し、多くの品種が育成された。関東を中心に各地でその名残の古木を見ることができる。キリシマツツジの古木が玉川の長い夢を語りかけている。

(文学部助教授 梅木信一)
「全人」2003年4月号(No.657)より

キリシマツツジ(霧島躑躅)

鮮やかな緋色の小さな花

学名:Rhododendron obtusum
ツツジ科ツツジ属
別名:キリシマ(霧島)、エドキリシマ(江戸霧島)
半常緑性の低木。江戸系キリシマの園芸品種。鮮やかな花色で、多くの小さな花を一斉に咲かせる。
花期:4月中旬~5月