No.14 ハリエンジュ

幼稚部玄関前

まわりの木々が芽吹き新緑を競う頃、まだのんびりと冬の装い。丘が青葉で煌めく頃、やっと奇数羽状複葉を開き、葉柄の脇から長い総状の花序を垂らす。

明治初期に渡来したマメ科の樹木で、根粒バクテリアが共生し、やせ地でもよく育つ。治山木や海岸の砂防林、造林地の肥料木としても植栽される。根から次々と芽を出す特性があり、日本各地で野生化している。

和名は、托葉(たくよう)が変化した針状の刺と、中国原産のエンジュ(槐)に似ることによる。俗称でアカシアともよばれるが、アカシア属(Acacia)は熱帯・亜熱帯原産の別の仲間で約600種もある。

果実は長さ5~10cmの豆果で
3~10個の種子を含む

花蜜の濃度が高く、良質の蜜源植物でもある。市販のアカシア蜂蜜はミツバチがこの花から集めたもの。農学部周辺には、花が淡紅色で美しい変種や樹齢を重ねた木が多く、ミツバチ研究の歴史を物語っている。

樹冠いっぱいに白色の蝶形花が咲き誇ると玉川の丘もそろそろ夏、ニセアカシアの芳香が甘く漂う。

(農学部助教授 山岡好夫)
「全人」2003年6月号(No.659)より

ハリエンジュ(針槐)

白色の総状花序は10~15cm

学名:Robinia pseudo-acacia
マメ科ハリエンジュ属
別名:ニセアカシア、アカシア
北米東部から中部原産で、高さ約25mに達する落葉高木
花期:5月~6月