No.18 カキ

文学部第2校舎(旧短大校舎)付近

晴れ渡った秋空に映える赤いカキの実は、誰の心にもあるなつかしい日本の風景である。美味しそうな実が目の前にあればなおさらで、その強い印象は青空とともに心に残っているのではないだろうか。

カキノキ属のDiospyrosはギリシャ語で「神の食べ物」という意味。カキは日本を代表する果物であると言ってよい。平安時代にはすでに栽培されていたようである。現在では品種の数も多く、地方ごとに特徴的なものが栽培されている。干し柿、柿の葉ずし、菓子の原料などとして、さらに柿渋は紙や網などの強化剤や防腐剤としても利用されており、日本文化の特徴ともなっている。

樹上で渋が自然に抜ける甘柿。また干し柿にしたりアルコールおよび炭酸ガスなどにより脱渋して食用する渋柿がある。

秋になると玉川の丘でもさまざまなカキを見ることができる。小原國芳先生は、子どもたちがもっとカキを採ることができるように、さらに季節ごとに収穫ができる果樹を増やすようにと言われた。あれから学園のカキもかなり大きく育った。今では毎年たわわに実をつけて、玉川の秋を彩っている。やがて秋風が吹く頃になると柿の葉は綺麗に色づき、少しずつ葉を落としていく。そして枝に残ったカキの実は、鳥たちにとって冬のご馳走となる。

(文学部教授 石川晶生)
「全人」2003年10月号(No.663)より

カキ(柿)

継続学習センター前

学名:Diospyros kaki
カキノキ科カキノキ属
花期:5月~6月
果期:9月~11月
本州、四国、九州に栽培される落葉高木