No.19 イチョウ

講堂付近

丘の秋が一段と深まっていく。モミジなどの紅葉とともに、イチョウはみごとに黄葉している。

紅葉は朝夕の温度差によって、赤色素のアントシアニンの合成によるものである。一方イチョウの黄葉は、緑色のクロロフィルが分解されて、黄色色素のカロチノイドが目立つようになるからである。

観音庭園付近(旧図書館)に大きく生長した個体が見られる。1929(昭和4)年の「学園日記」には、公孫樹15本を記念樹として植樹したとの記録がある。南口や実技・実験棟の並木、高等部などにも大きな個体がある。

銀杏

イチョウ科の植物は古生代に出現した裸子植物の仲間で、生物の歴史のなかでは古いタイプである。そのため多くの仲間が絶滅したが、イチョウの1種のみが東アジアに生き残り、「化石植物」とも呼ばれる。雄花と雌花は別々の株に咲く雌雄異株(しゆういしゅ)で、雌株に銀杏(ギンナン)がなる。

黄金色の葉が秋の夕日を浴びながら風に舞う。まさに丘の秋の風物詩である。

(教育学部教授 梅木信一)
「全人」2003年11月号(No.664)より

イチョウ(公孫樹)

春に咲く雄花

学名:Ginkgo biloba
イチョウ科イチョウ属
別名:ギンナン(銀杏)
中国原産の落葉高木で、寺院や神社の境内によく植えられる。大きく生長し巨木となり、天然記念物となっているものが多い。秋に黄金色に黄葉し、ギンナンは食用となる。 雌雄異株。
花期:4~5月
果期:11月