No.20 ヤツデ

開花したグリーンヒル食堂前のヤツデ

大きく切れ込んだ光沢のある葉のヤツデ。玉川の丘では、木立の中に青々とした姿を見ることができる。日陰にも寒さにも強いため、庭の薄暗い北側などにも植えられる。そのためか高級感はないように思われるが、特徴的な葉の形は十分鑑賞にたえ、まるで観葉植物のよう。さらに強健な性質から、むしろ日本よりヨーロッパなどで人気がある。

属名のFatsiaは「八手」がもとになっている。左右対称に切れ込むため、葉の形は7や9の数になり、実際は8つに裂けるものは少ない。8は数の多いことを表わしたものであろう。

花の少ない晩秋になると、大きな円錐花序に乳白色の5弁の花を球状に多くつけ、その存在に気づく。暖かい日の差す日中にはアブなどが飛んで来るのを見ることができる。

葉はたがいに日陰にならないように、それぞれ向きを変えて展開している。春、新たな葉が出る頃になると、古い葉はやや下を向き、新しい葉が優先して、陽光を受けるようになる。うまくできているものだ。

(文学部教授 石川晶生)
「全人」2003年12月号(No.665)より

ヤツデ(八手)

ヤツデの果実

学名:Fatsia japonica
ウコギ科
別名:テングノハウチワ
花期:10月~12月
果期:翌春
高さ2~3メートル程になる常緑低木