No.21 ユズリハ

咸宜園前庭。
葉柄が緑色のアオジクユズリハ

新春を迎えるにあたり、縁起のよい樹木である。葉の新旧交代がめだつ常磐木(ときわぎ)(常緑樹)であるため、譲葉(ゆずりは)の名がついた。若葉が開いてから、3年越しの古い葉を落とす。親が子の成長を見とどけてから跡を譲る、家系が絶えない世代交代にたとえられる。家の繁栄を意味するダイダイ、夫婦共白髪の長寿にたとえたウラジロとともに、正月飾りに使われてきた。

ユズリハの雄花の開花(4月)。
雌雄異株

長楕円形で全縁の葉は、枝先に輪生状に集まって互生し、葉柄は紅色をおびて長さ約5cmと長い。種小名のmacropodumがあらわすように、小枝の太さや葉も大柄。属名は、ラテン語のdaphne(ゲッケイジュ)+phyllon(葉)の意味で、葉の形が似ることによる。

玉川の丘のユズリハは、模築された咸宜園によく調和している。大地にどっしりと根をおろし真っ直ぐに伸びた数本の幹、天空に丸く広げた樹冠、濃緑に輝く硬い葉、均整のとれた樹形である。この活力あふれる生育をみると、日本古来の文化である私塾の精神や思想の継承をも啓示しているようで印象深い。

(農学部助教授 山岡好夫)
「全人」2004年1月号(No.666)より

ユズリハ

ユズリハの果実(10月)。
成熟すると紫黒色で白粉をかぶる

学名:Daphniphyllum macropodum
トウダイグサ科ユズリハ属
別名:ユズルハ、ツルシバ、ショウガツノキ
本州中南部から沖縄、中国、朝鮮半島に自生する常緑高木。高さ10mになる。