No.23 キブシ

早春、淡い黄色がよく目立つキブシの花
(文学部第2校舎(旧 女子短期大学第1校舎)前)

春の訪れを真っ先に告げる花である。木々がいっせいに活動を開始する前に、キブシは枝々から細長い淡黄色の藤のような花序をぶら下げる。

花は長さ7mmの細長い鐘状で、花弁が4枚である。雄花と雌花はよく似ているが、雄花は淡い黄色で8個の雄しべが発達している。淡い黄緑色の雌花はやや小型で子房が発達している。雌花には緑色の果実がなる。黄褐色に熟した果実には多くのタンニンが含まれており、黒色の染料がとれる。この染料をヌルデからとれる五倍子(フシ)の代用としたことから、木五倍子(キブシ)の名がある。

春の雑木林は大忙しで、スミレ類、ヒトリシズカなどの花々が春を謳歌している。クヌギなどの落葉樹の中で、他の木々に先駆けてキブシが主役となる季節である。やがて、サクラ類の花が咲く本格的な春となる。

小さな花ではあるが、穏やかな早春の丘で、その存在を大いにアピールしている。

(教育学部教授 梅木信一)
「全人」2004年3月号(No.668)より

キブシ(木五倍子)

雌株の若い果実(5月)

学名:Stachyurus praecox
キブシ科キブシ属
別名:黄藤(キフジ)、豆藤(マメフジ)
各地に普通に見られる落葉低木。よく分岐して高さ3~5mくらいになる。雌雄異株
花期:3~4月