No.24 ウスゲヤマザクラ

ウスゲヤマザクラと文学部第2校舎(旧 短大校舎)

見上げるほどに樹冠を大きく広げ、紅色がやや強い花を枝いっぱいにつける姿は、かなりの見応えである。このサクラは玉川学園の創立当時からここにあったようである。松陰橋から文学部第2校舎(旧 短大校舎)に向かって歩いて来ると、目の前にヤマザクラと一緒に並んでいる。毎年春になるとお互いに競って花を咲かせ、満開の時にはこの一画だけが際立って明るくなる。

野生のサクラといえばヤマザクラといわれるが、このウスゲヤマザクラには、小花柄や葉などに薄く毛がある。ヤマザクラの系統には変異個体が多いとされるが、この樹もやはり個性的で、花の色が濃く、花形も着花数も申し分がない。特に「玉川学園のウスゲヤマザクラ」と呼ぶにふさわしい。

清楚な中にも艶やかさがあり、春の青空を背景に、生命の力強さが感じられる。じっくりと眺めて頂きたい。文学部第2校舎(旧 短大校舎)の上階からの眺めは、白花のヤマザクラとの混ざり合いが美しく、道いっぱいに広がった花の雲間からは学生らの行きかう姿が見え隠れする。

(文学部教授 石川晶生)
「全人」2004年4月号(No.669)より

ウスゲヤマザクラ(薄毛山桜)

ウスゲヤマザクラの小花柄

学名:Prunus jamasakura form.pubescens
バラ科サクラ亜属
花期:4月上旬~中旬