No.25 チョウゲンボウ

つぶらな瞳の中にもタカの本性が(メス)

玉川学園のここ17年来の野鳥のトピックスといえば、世界最速を誇るハヤブサの仲間であるチョウゲンボウがすみついていることである。人工建築物に集団繁殖する例は世界唯一である。「ゲンボウ君」と称されて学園のマスコットになっているので、ご存知の方も多いだろう。どういうわけか記念体育館が大のお気に入りで、1年を通して永住している。もともとの生息地である山地の崖が崩壊したのでやむなく都会へ進出してきたと考えられるが、30m以上の高さがある記念体育館を崖に見立てたのかもしれない。

「ゲンボウ君」はハトくらいの大きさでかわいらしい顔立ちをしているにもかかわらず、大変鋭い爪を持っていて、農学部付近でスズメなどの小鳥に対して上空から時速200km近くで「一蹴り」して捕食する姿が頻繁に見られる。

毎年1月に入ると記念体育館で繁殖活動を開始し、屋根裏の、たった4カ所の角地をめぐって、12羽以上が「営巣場所取り合い合戦」を展開する。今年もこの戦いに勝ち抜いて見事メスの気を引いた4番(つがい)のカップル、合計8羽が営巣活動に入っている。順調にいけば6月にはかわいい巣立ちビナが見られることであろう。

(農学部助教授 田淵俊人)
「全人」2004年5月号(No.670)より

チョウゲンボウ(長元坊)

縄ばりを守るオス

学名:Falco tinnunculus
タカ目ハヤブサ科ハヤブサ属
ユーラシア大陸から日本にかけて分布。日本では北海道から九州までの範囲に生息する。夏は本州中部以北の山地で繁殖し、冬には平地の農耕地や海岸の干潟などに移動する。主に小型のネズミ、小鳥などを食べる。
体長:雄33.0cm 雌39.0cm(翼開長68.0~76.0cm)