No.28 サンゴジュ

赤く熟した果実

赤く熟した果実は、その名のとおりまさに赤珊瑚。真夏の玉川の丘は葉がうっそうと茂り、木々の間を風が吹き抜けていく。緑色の濃い風景の中に、このサンゴジュの赤い実がこぼれるように群れてくると、そこだけが急に人目を引きはじめる。葉は厚く強い光沢があり、太陽の光を受けてますます美しい。

円錐花序の開花

花は初夏、枝先に円錐花序の白い花を咲かせ、梅雨の晴れ間には昆虫がせわしく訪れる。生育は非常に旺盛で刈り込みや剪定に耐えるので、生垣にも利用される。また火にも強いことから、防火樹としての価値も高い。繁殖力も強く野生化して自然分布しているものもあるようだが、本州で真の自生地は山口県だけといわれている。

玉川の丘にも植栽されているが、その存在にあまり気づかないようである。しかし花序全体が赤く染まり真っ赤な実をたわわにつける季節になれば、なるほど姿と名前とが一致する。

(文学部教授 石川晶生)
「全人」2004年8月号(No.673)より

サンゴジュ(珊瑚樹)

文学部第2校舎
(旧短大第1校舎)横

学名:Viburnum odoratissimum
スイカズラ科ガマズミ属
花期:6月~7月
果期:8月~9月
特性:常緑中高木
用途:庭園・公園、街路樹、生垣など