No.30 ヒノキ

小原記念館玄関脇のヒノキ。
樹高は約18m、胸高幹周は約2m

ヒノキは日本の固有種。樹高40mに達し、広円錐形の樹形になる。各地で造林され、特に木曾ヒノキは歴史が古く、日本三大美林のひとつとして世界的に知られている。

和名のヒノキは「火の木」の意味で、昔、火おこしに用いられたことによる。種小名のobutusaが示すとおり葉先は鈍形で、同属のサワラと区別できる。

この材は、国産材の中で最も評価が高く、狂いにくいうえ加工が容易である。心材は薄い紅色で光沢があり、そのα-ピネンなどの芳香もあわせ用途が多い。法隆寺など日本古来の木造建築の多くに使われている。また、この樹皮を用いた桧皮葺き(ひわだぶき)の屋根にも趣がある。

小枝。平面羽状に互生し、表裏性(左:裏、右:表)がある。
裏面の白色気孔部はY字形

玉川の丘のヒノキは、まずオウゴンヒバやスイリュウヒバなどの華やかな園芸品種が目を引くが、創設期の労作により、スギ・サワラとともに植栽され、現在一際大きく生育した古木群も見逃せない。丘の随所で深閑とした緑陰を提供している。

(農学部助教授 山岡好夫)
「全人」2004年10月号(No.675)より

ヒノキ

生育中の球果。直径1cmほどの球形で、
秋には褐色に熟す

学名:Chamaecyparis obutusa
ヒノキ科ヒノキ属
福島県南東部から屋久島にかけて分布。常緑針葉高木で雌雄同株。