No.34 ツグミ

澄みきった早春の青空に胸の模様がよく似合う

花のつぼみが膨らみ始める如月(きさらぎ)。梅の枝先などに、ヒヨドリくらいの鳥が止まっているのを見かけたことはありませんか? よく目を凝らして見てください。白い眉と、胸の黒い斑点模様が大変目立つ、普段はあまり見かけない鳥――ツグミです。それもそのはず、ツグミは1年中いるわけではなく、冬の到来とともに遠くシベリアから大群で渡ってきて、春とともに北国へ帰る冬鳥で、この季節だけは、実は都心から山地に至るまで、ごく普通に見ることができる“季節限定の鳥”なのです。学園内でも至る所で見かけることができます。

カキやピラカンサなどの木々の実を好んで食べますが、畑や河原などの開けた所に下りて餌をとることもあります。地面に下りると少し跳ねては、胸をそらした姿勢で立ち止まり、また、跳ねる動作を繰り返すので、ツグミだとすぐにわかります。

立春を過ぎてもまだまだ寒く、小雪が散らつくこともありますが、ツグミたちは“名残雪のお土産”を背中に乗せて、静かに北国へと帰っていきます。春はもうすぐそこに来ています。

(農学部助教授 田淵俊人)
「全人」2005年2月号(No.679)より

ツグミ

春なのに、背中に雪化粧

ヒタキ科ツグミ亜科
シベリア地方で繁殖し、冬には日本や中国南部に渡る。日本では冬鳥として全国各地に渡来し、山地から都心の公園、庭、農耕地など、至る場所に生息する。笹などの生い茂った場所をねぐらにし、ねぐらに入る前には大群となって空を舞う姿を見せることがある。ヒヨドリとは異なり、直線的に飛ぶ。体長は約24cm。オス、メスともに同じ体色をしている。