No.39 スギ

大学研究室棟横のスギ

スギは日本を代表する針葉樹。命名者のD. DonもスギにJapanを重ねている。1属1種で、中国を含め準固有種である。和名は、「直ぐ木(すぐき)」「直木(すなおき)」の転など諸説がある

生長が早く、樹高60mや直径5mに達する巨樹もある。長寿では3,500年とされる屋久島の「大王杉」が有名。神社・仏閣には天然記念物の名木が多い。台杉仕立で、和風庭園にも賞用される。

日本の人工林の44%(450万ha)はスギである。育林技術はスギを中心に発展し、林業品種が100を越える。京都北山など杉材生産の有名林業地も多い。花粉症対策の育種が進み、精英樹(せいえいじゅ)を再選抜した花粉の少ない育成品種も多数ある。

スギの花。受粉して
肥大生長を始めた雌花と、
まもなく落脱する雄花

材は軽軟、木理(もくり)が素直で加工しやすい。防水に優れ、船舶、桶・樽に重用される。木の香が好まれ、日本酒の醸造には杉樽が、新酒の知らせには杉玉が使われる。葉は線香の材料でもある。

玉川の丘のスギは、猿猴杉(エンコウスギ)などの園芸品種や遺伝資源の出絞(でしぼ)クローンなど多様。丘の随所で強烈な日差しを遮る古木群に感謝し、しばし創設期の植林労作に思いをはせる。

(農学部准教授 山岡好夫)「全人」2005年7月号(No.684)より

スギ

エンコウスギ(猿猴杉)

学名:Cryptomeria japonica
スギ科スギ属
青森県西津軽郡から屋久島にかけて断続的に分布。海外では中国。常緑針葉高木で雌雄同株。