No.40 ヤギ

生後15日目の子ヤギ

農学部では現在、日本ザーネン種とシバヤギの2種のヤギを試験研究用に飼養している。世界には200種、約3億頭のヤギが乳用・肉用・毛用として分布しているが、そのルーツは西アジアに起源を有するベゾアールヤギ、マルコールヤギと呼ばれる原種にさかのぼり、家畜化の歴史はおよそ1万年とされている。

乳用種の日本ザーネン種は、20世紀初頭にスイスから輸入したザーネン種を改良、全国に普及した。性格は温順、快活で粗食に耐え、飼いやすいことから、1957年には69万頭に達したが、戦後の酪農振興政策下、乳牛の増加にともないその数は3万頭にまで減少している。近年では国民の健康志向の高まりとともに、牛乳中のアレルギー物質αs1カゼインが含まれない山羊乳が注目され、頭数も微増しており、全国各地で飲用乳やチーズ生産が行われ始めている。

シバヤギ(雄)

農学部では、学内の里山にヤギを放牧し、ササを採食させて生態系に及ぼす環境負荷量を推定・解析する試験を進めている。さらに未利用資源のササを餌とし乳・肉までの環境保全型生産システムの構築を目指すバイオマス研究が始まったところである。

(農学部教授 安部直重)
「全人」2005年8月号(No.685)より

ヤギ

泌乳中の日本ザーネン種(雌)

学名:Capra hircus aegagrus
偶蹄目反芻亜目ウシ科ヤギ属
日本ザーネン種はもともとスイスの山岳地帯に分布していたSaanen種を輸入し、在来種と交配し改良した。毛色は白色で、有角、無角ともに見られる。肉髯があり、産子数は1~2頭である。乳量は年間800~1000kg。草食で、特に木の若芽を好む。
体重:雄80~120kg、雌60~80kg
体高:雄80~100cm、雌75~85cm