No.41 スダジイ

南口(旧高等部口)のスダジイ

残暑を過ぎてやがて初秋ともなると、実りの季節となる。秋の雑木林ではドングリが主役となる。ドングリとはクヌギなどのブナ科の果実の総称名で、その堅い果実(堅果)はお椀状の殻斗(かくと)で包まれている。

多くのドングリはタンニンが多くて、そのままでは食べられない。しかしシイ類の堅果はタンニンが少なく渋抜きなしで生のまま、または炒って食べることができる。粉末にしてクッキーとしてもよい。よく似たツブラジイは堅果が長さ1cm以下で丸いので区別される。マテバシイは別の仲間(マテバシイ属)であり、堅果は少し大型で、タンニンが少ないので食べられる。

春に開花した雌花と雄花
(穂状花序)

スダジイは常緑で大木となり、葉は厚く皮質で、裏面は灰褐色の毛でおおわれている。材は堅くて、薪炭材やシイタケのほだ木として利用される。

5月ごろに同じ株に雄花と雌花を咲かせる(雌雄同株)。この時期に独特の強い香りを周囲に漂わせており、木の下に小さな毛虫のような雄花(穂状花序)が落ちているのを見かけた人も多いであろう。創立期以前より玉川の丘に成育しており、なじみが深く懐かしい樹木のひとつである。

(教育学部教授 梅木信一)
「全人」2005年9月号(No.686)より

スダジイ

開花後、翌年の秋に
成熟した果実(ドングリ)

学名:Castanopsis cuspidata var. sieboldii
ブナ科シイ属
別名:イタジイ、ナガジイ、シイ
特性:本州(東北中部以南)・四国・九州の沿海地丘陵や山野に自生する常緑高木。堅果を古来より食用に利用してきた。
花期:6月ごろ花を咲かせ、堅果は2年目の秋に成熟する。