No.42 ニホンミツバチ

パッションフルーツの花粉採取に忙しい働き蜂

日本には、固有の野生ミツバチであるニホンミツバチと、1877(明治10)年に欧州よりアメリカを経由して導入されたセイヨウミツバチの2種のミツバチが生息している。アジア地域には、南から東アジアにかけて中国亜種、インド亜種、ヒマラヤ亜種、日本亜種と、4亜種のトウヨウミツバチが生息しているが、ニホンミツバチはその中の日本亜種の和名である。

玉川の丘でのミツバチ研究は1950年に開始され、現在は大学6号館(旧農学部)周辺の4カ所の蜂場でセイヨウミツバチとニホンミツバチが飼育、管理されている。これまでニホンミツバチの特徴的な生態として、襲来した天敵のオオスズメバチを集団で熱殺する防衛行動を発見し、低温や低照度下での活発な訪花活動も解明してきた。

ニホンミツバチの授粉でできたマンゴー
(鹿児島県久志、熱帯植物機能開発施設)

現在は、鹿児島県久志の熱帯植物機能開発施設やキャンパス内のハウスで栽培されているパッションフルーツやマンゴーの花粉媒介昆虫として、ニホンミツバチの実用化の研究を進めている。南国の青空の下、ニホンミツバチが授粉したマンゴーやパッションフルーツがたわわに実る日は近いだろう。

(学術研究所教授 吉田忠晴)
「全人」2005年10月号(No.687)より

ニホンミツバチ

マンゴーに訪花

学名:Apis cerana japonica Radoszkowski
ハチ目ミツバチ科ミツバチ属
北海道を除く日本各地に広く分布。伝統的な丸太巣箱や箱型巣箱で飼われている。採蜜量はセイヨウミツバチより少ないが、性質が温和であるため、最近、趣味養蜂のハチとしても注目されている。
体長:女王蜂13~17mm、働き蜂10~13mm、雄蜂12~14mm