No.43 ジュウガツザクラ

小グラウンド(旧小学部グラウンド)
側の ジュウガツザクラ

春夏秋冬、玉川の丘の自然は静かに変化していく。丘を抜けていく風は次第に肌寒くなり、単調な冬の景色へと向かっていく。

そんな季節の中で秋から冬にかけて咲く桜にジュウガツザクラがある。淡い紅色の八重の花弁は、この時期にあってこそ人目をひく。その場所だけがほんのりと温かくなっていて、この丘を歩いていると、遠くからでも「おや?」と思うことだろう。

ちらほらと咲くジュウガツザクラには、派手さはないが、精一杯の優しさを感じる。この時期の桜に出会うと、なぜか得した感がある。学名のAutumnalisは「秋の」という意味。

春にも花はかなり咲き、少し大きめとなるが、他のサクラ類の艶やかさに隠れてしまいそうである。むしろ秋空のもとで、清楚で可憐な薄紅色の花は風情を増してくる。

秋空に開花する
ジュウガツザクラの花

玉川の丘にも、ここ数年の間に少しずつ植栽されてきた。写真はりんどう食堂から松陰橋に向かう道沿いに植えられているもので、まだ新参者の若木であるが、年々花つきが良くなっているように思える。新たな仲間の登場である。

(リベラルアーツ学部教授 石川晶生)
「全人」2005年11月号(No.688)より

ジュウガツザクラ(十月桜)

ジュウガツザクラの葉(左)。
成葉は長さ3.5~5.5cm。
ソメイヨシノ(右)に比べて
小さい

学名:Prunus × subhirtella‘Autumnalis’
バラ科サクラ属
別名:オエシキザクラ(御会式桜)
落葉小高木(3~4m)。エドヒガン群の八重咲き園芸品種。花は淡紅色~白、花弁の数は10~16枚、雄しべは50前後、雌しべは雄しべよりも先につきでる。
花期:秋~冬、春