No.45 モウソウチク

咸宜園裏のモウソウチクの林

冬の寒さの中で青々と茂るタケは、稈(かん)がまっすぐに伸びて、規則正しく節が並ぶ。この姿から、めでたいしるしの植物(瑞祥(ずいしょう)植物)の「松竹梅」のひとつとして称えられ、正月の門松にタケを立てて、新しい年を祝う。

学内のタケやササの仲間には、オカメザサ、マダケ、アズマネザサ、ヤダケなどがある。タケとササの区別は明確でなく、一般にタケは大型で竹の皮(稈鞘(かんしょう))が下落する。小型で竹の皮がいつまでも節に付着しているのがササとされている。モウソウチクは稈の節に1個の環があるが、竹材としてよく利用されるマダケ(真竹)は節に2個の環状のふくらみがある。

稈は太く、節にはひとつの
環(単環)がある

タケの名前は「長(た)ける」や「猛(たけ)し」で、生長が早く、大きく伸びて猛々しいことに由来している。モウソウチクの名前の由来となった孟宗は中国の「二十四孝」の一人。母親の願いで、冬の寒い時期にこの筍(たけのこ)を供したことで有名である。

茂りすぎて迷惑なこともあるが、学内の各所でしなやかに、そして力強く生きている仲間である。

(教育学部教授 梅木信一)
「全人」2006年1月号(No.690)より

モウソウチク(孟宗竹)

食用となる美味しい筍

学名:Phyllostachys heterocycla
イネ科マダケ属
別名:江南竹
特性:稈は直径10cm以上に、高さも10m以上と大きくなるタケである。大きな筍を食用に利用してきた。中国原産で、江戸中期に渡来したとされる。タケ類の地上茎は、内部が空洞となっており、稈と呼ばれる。
用途:庭園樹、器具材、食用(筍)など。