No.48 コマルハナバチ

雄蜂がモモイロヒルザキツキミソウに訪花

丘を彩る花々の間を忙しげに飛び交うコマルハナバチは、玉川のキャンパスに春の訪れを告げる代表的な昆虫である。女王と娘の働き蜂は、光沢のある黒い毛とお尻の先端部の真紅の毛のコントラストがとてもおしゃれ。一方、少し遅れて登場する雄蜂は、まるで黄金の毛皮のコートを身にまとっているような艶やかさである。

ブルーベリーの花で
振動授粉をする働き蜂

玉川大学ではマルハナバチの高い授粉能力に注目して、農作物の生産に一役買ってもらう研究を続けているが、最近とても興味深いことが分かってきた。何と「花と会話」ができるようなのである。

手足もなく動くことができない花は、訪花昆虫に花粉を運んでもらうことで種子を結ぶ。植物は、その報酬として甘い花蜜をプレゼントしているが、実は花の香気成分とマルハナバチが仲間同士の言葉として利用している物質との間に類似性があることが分かってきた。

花とマルハナバチがどのような会話をしているのか、研究を担当している大学院生はワクワクしながら、日々解読作業に取り組んでいる。

(農学部教授 小野正人)
「全人」2006年4月号(No.693)より

コマルハナバチ

美味しそうに色づいた
ブルーベリー

学名:Bombus ardens ardens Smith
ハチ目ミツバチ科マルハナバチ属
体長:女王蜂:20mm 働き蜂:10~18mm 雄蜂:16mm
本州、四国、九州に分布し、北海道と長崎県対馬には各々別亜種が生息する。マルハナバチの中で最も早く女王蜂が越冬から覚めて活動を開始する。営巣期間も短く、他の社会性ハチ類ではこれから巣が大きく発展するという梅雨の終わり頃には新女王蜂と雄蜂を生産して解散してしまう。雄蜂は、体全体がレモンイエローの毛で覆われ、雌(女王と働き蜂)と別種のような感じを受ける。