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玉川豆知識 No.89

数字で見る玉川学園②「12 教育信条」

玉川学園創立者小原國芳は、玉川学園の建学の理念として、人間文化の調和的な発展を唱え、その理想を実現するために、12の教育信条を掲げました。

1.時代とともに受け継がれてきた12の教育信条

玉川学園では、創立以来「全人教育」を教育理念の中心に掲げ、人間形成には真・善・美・聖・健・富の6つの価値を調和的に創造することが必要であるとして、学問・道徳・芸術・宗教・健康・生活の6方面の人間文化を、豊かに形成することを教育の理想としてきました。そして、その理想を実現するために、12の教育信条を掲げて、教育活動を実践しています。

玉川学園において、この教育信条が最初に文章として掲載されたのは、1930(昭和5)年に玉川学園出版部から刊行された『玉川塾の教育』です。当初は現在のような12項目ではなく、「塾教育」「国士養成」「労作教育」「第二里を行く人」「能率高き教育」「個性尊重の教育」「自学自律の教育」「全人教養」「自然尊重の教育」の9項目でした。時代の要請から「国士養成」というその当時を思わせる文言も入っていました。

1930(昭和5)年の教育信条→2018(平成30)年の教育信条

戦後間もない1947(昭和22)年の旧制「玉川大学要覧」では、「全人教育と個性尊重」「自学と労作教育」「生産教育」「大自然と塾教育」の4項目に刷新され、新しい時代に合わせた教育信条を掲げていました。1955(昭和30)年になると教育信条が12項目となり、取り上げられる文言もある程度固まってきました。この年の教育信条は、「全人教育」「労作教育」「自学自律」「個性尊重の教育」「反対の合一」「学的根拠の上に立てる教育」「能率高き教育」「第二里行者と人生の開拓者」「自然の尊重」「師弟間の温情」「塾教育」「国際教育」。「反対の合一」と「国際教育」が初めて教育信条に加わりました。

2001(平成13)年に「24時間の教育」が新たに加わりました。また、「師弟間の温情」は、年によっては「三位一体の教育」となっていました。しかし、2013(平成25)年からは「師弟間の温情」となり、現在に至っています。そして今日、以下の12の教育信条を掲げて、日々の教育活動を進めています。

2.現在の12の教育信条

現在掲げている12の教育信条は以下の通りです。

全人教育 教育の理想は、人間文化のすべてをその人格の中に調和的に形成することにある。その展開にあたっては、「真・善・美・聖・健・富」という6つの価値の創造を目指した教育を追求している。
個性尊重 教育とは、一人ひとりの唯一無二の個性を充分に発揮させ、自己発見、自己実現に至らせるものでなければならない。個性尊重の教育とは、一人ひとりの人間をより魅力的な存在へと高めていくことである。
自学自律 教えられるより自ら学びとること。教育は単なる学問知識の伝授ではなく、自ら真理を求めようとする意欲を燃やし、探求する方法を培い、掴み取る手法を身に付けるものである。
能率高き教育 一人ひとりにとって無理無駄がなく効率高い適切な教育のため、学習環境の整備、教材の厳選、教授法の工夫改善、コンピュータとネットワークの活用など、学習意欲を高め、能率を増進させる努力を行う。
学的根拠に
立てる教育
教育の根底には、確固とした永劫不変な教育理念がある。その実践のためには、論証が繰り返され、科学的実証が蓄積され、確固たる信念の下に教育活動が行われなければならない。
自然の尊重 雄大な自然は、それ自体が偉大な教育をしてくれる。また、この貴重な自然環境を私たちが守ることを教えることも、また大切な教育である。
師弟間の温情 師弟の間柄は、温かい信頼に満ちたものでなければならない。温情とは甘やかしを意味するものではない。同じ求道者として厳しさの中にも温かい人間関係を大切にしていくことである。
労作教育 自ら考え、自ら体験し、自ら試み、創り、行うことによってこそ、真の知育、徳育も成就する。目指すところは、労作によって知行合一の強固なる意志と実践力を持った人間形成である。
反対の合一 国民と国際人、個人と社会人、理想と現実、自由とルール。これらの反対矛盾対立する二面を一つに調和していく試みに挑みたいものである。
第二里行者と
人生の開拓者
マタイ伝に「人もし汝に一里の苦役を強いなば彼と共に二里行け」ということばがある。目指すべきところは、地の塩、世の光となる、独立独行の開拓者的実践力を持つ人材の養成である。
24時間の教育 教師と学生がともに働き、ともに食し、ともに歌い、ともに学ぶという師弟同行の教育。教育は限定された時間内だけではない。any timeの教育を目標に、生活教育、人間教育を大切にしていきたい。
国際教育 今、「地球はわれらの故郷なり」という広い視野と気概を持った国際人が求められている。語学の習得に満足することなく、豊かな国際感覚を養うため、地球のあらゆる場所で行えるany placeの教育を目指している。

参考文献

  • 小原國芳著『全人教育論』 玉川大学出版部 1969年
  • 小原國芳著『玉川塾の教育』 玉川学園出版部 1930年
  • 『玉川大学要覧』 玉川大学 1947年
  • 小原哲郎編『全人教育の手がかり』 玉川大学出版部 1985年
  • 『玉川教育―玉川学園三十年―』 玉川大学出版部 1955年
  • 『玉川学園の教育活動 玉川大学の教育活動(2008~2009)』 玉川学園 2008年
  • 石田修大著『玉川学園 全人教育 夢への挑戦』 日経事業出版センター 2002年
  • 山﨑亮太郎著『今、蘇る全人教育 小原國芳』 教育新聞社 2001年
  • 『玉川学園総合パンフレット』 玉川学園 2018年

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