江里口歡人先生:国際バカロレア教師養成についてVol.1:国際バカロレアの使命 IB mission statement と学習者像について

2015.06.16

昨年度から玉川大学大学院教育学研究科で国際バカロレア教師養成が始まりました。そこで、これから4回にわたり、国際バカロレアのプログラムとはどのようなものかについて解説させていただきます。

国際バカロレアの説明はいつもそのミッションから始まります。
下記が国際バカロレアの使命 IB mission statement です。 「国際バカロレア(IB)は、多様な文化の理解と尊重の精神を通じて、より良い、より平和な世界を築くことに貢献する、探究心、知識、思いやりに富んだ若者の育成を目的としています。
この目的のため、IBは、学校や政府、国際機関と協力しながら、チャレンジに満ちた国際教育プログラムと厳格な評価の仕組みの開発に取り組んでいます。
IBのプログラムは、世界各地で学ぶ児童生徒に、人がもつ違いを違いとして理解し、自分と異なる考えの人々にもそれぞれの正しさがあり得ると認めることのできる人として、積極的に、そして共感する心をもって生涯にわたって学び続けるよう働きかけています。」
IBの学習者像(10個)もその重要な理念です。(IB機構ホームページより)

下記は学習者像の英語版と日本語版です。比較してご覧ください。

国際バカロレア機構ホームページより

この学習者像に関しては玉川学園ではMYPの始まる7年生(通常中学1年)からカリキュラムの中の「MYP」の分野で一個ずつ、しっかり学ぶことになっています。なぜなら、これが国際バカロレアを勉強していくにあたっての基本的な概念であり、教師側だけでなく、学習者もしっかり理解することが期待されているからです。このあたりも国際バカロレアが学習者中心であることの証です。言い換えると、教師はクラスの中でコントローラーでなく、ファシリテーターであり、中心はいつも学習者である児童・生徒ということです。

ここで、IBの歴史的背景を見ておきましょう。
「IBディプロマプログラム」(DP)は、チャレンジに満ちた総合的な教育プログラムとして 1968 年に創設されました。世界の複雑さを理解し、そのことに対処できる生徒の育成を目指しています。また、未来への責任ある行動をとるための態度とスキルを身につけることに力を入れています。DPは、より公正で平和な世界の構築に資する人間の育成には、教科の枠をはじめ、文化的、国家的、地理的な境界をこえた教育が必要であるという信念に基づいて構想されました。 IBはその後、1994年に「IB中等教育プログラム」(MYP)を、そして1997年に 「IB初等教育プログラム」(PYP)を設置し、国際教育に取り組む、3歳から19歳までの幼児および児童生徒を対象とした一貫教育プログラムを確立しました。さらにその10年後には、全プログラムに共通する「IBの学習者像」を策定し、すべての対象年齢層に向けて国際的な視野をもつ学習者が目指すべき人物像を示しました。各プログラムはそれぞれチャレンジに満ちた、独立した教育課程ですが、「IBの学習者像」がこれらのプログラムをつなぐ重要な共通基盤となっています。また、各プログラムでは、IBの教育方法が発達段階に即した適切な形で具現化されています。2012年には新プログラム 「IBキャリア関連教育サーティフィケイト」(CP)をスタート。16 歳から19歳までの生徒に新たな国際教育の選択肢を提供し、IBの一貫教育がより豊かになりました。 IBの取り組みは、研究や40年以上にわたる教育実践に裏打ちされています。IB創設の礎となったビジョンは、今日もなおIBの成長を支え続けています。創設者たちから受け継がれた活力あふれるIBの精神は、IBの質の高い教育とそのための教員研修に継続的に力を注ぐ学校の増加を後押ししています。IB教育の実践に伴う責任を共有するこうした学校の輪はグローバルに広がり続けています。

参照:国際バカロレア機構ホームページ
(http://www.ibo.org/)より