学校法人 玉川学園 Puente 2011.06 vol.01
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研究プロジェクト❶つながる記憶、そして夢が動き出すSpecial1日々の食卓を彩る野菜や果物。普段、口にしている食物は、いくつもの段階を経て私たちの手に届く。だが、自然には天候や病虫害などのリスクがつきもの。そして将来、宇宙で生活ができる時代になれば、どんな環境でも食料を生産できる技術が求められる。未来の食料問題の救世主として期待されるのが植物工場だ。 「Future Sci Tech Lab(以下FST)」の1階は植物工場と宇宙農場のラボになっている。ここでは太陽光の代わりにLED(発光ダイオード)を照射し、土ではなく水と液肥を使って、レタスなどの葉物野菜を育てている。 「どうやって野菜が作られているのだろう」。PL(プロアクティブラーニング)コースで学ぶ野渡駿さん、川田英奈さん、片岡良宗さんの3人はFSTに赴いた。早速、渡邊博之教授の案内で、栽培ラックがずらりと並ぶ植物工場の栽培室に潜入。「作れる野菜はレタスだけですか」「栄養や味は普通の野菜と同じなのかな」「宇宙で野菜が栽培できるって本当ですか」など、次々と質問が飛び出した。 「向き不向きはありますが、光と養分と水分があれば、どんな作物でも作れます。レタスのほかにイチゴやトマトなども栽培可能です。世界で初めてジャガイモの栽培にも成功しました。いずれFST内の植物工場の栽培室。ここではたくさんのレタスを栽培していた。「LEDの光の違いで、味や葉に影響が出てきます」と渡邉教授の解説に、3人は「見た目は普通の野菜と同じだね」「こんなに大きく育つのか」と感心しきり。渡邉博之(学術研究所生物機能開発研究センター主任・農学部教授)野渡駿さん(11年生)川田英奈さん(11年生)片岡良宗さん(11年生)植物工場と量子暗号未来の課題に科学で挑む数百個のLEDで彩られた「Future Sci Tech Lab」。ここでは、植物工場と光通信量子暗号の研究が進められている。これらの研究は私たちの未来にどうかかわるのか、高校生3人がラボを訪ねた。未来創造空間へようこそ文=林愛子 写真=神ノ川智早4vol.01

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