学校法人 玉川学園 Puente 2013.06 vol.03
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16│Puenteたまがわ時代を拓く研究活動Part3脳科学研究所脳科学研究所所長木村 實 教授まだまだ未知の部分が多い、私たちの脳の働き。その解明を行っているのが脳科学研究所です。独自のアプローチによる研究活動は、玉川の教育にも大きく活かされています。教育、ロボットなど幅広い分野に応用可能 脳科学研究所は2007年に設置され、2010年には脳情報研究科(博士課程後期)が開設。規模は決して大きくありませんが、個性豊かな研究を行っています。研究所の所長である木村實教授に話を伺いました。「脳科学研究所に所属している常勤の研究者は、現在52名ですが、動物実験とヒトを対象とする脳機能イメージングによって、こころの働きを、独創性の高いアプローチで研究しています。坂上教授が中心となって行ってきたグローバルCOEプログラムも、そうした独自の取り組みの一つです」。また医学・工学・心理学など、多方面からアプローチを図る点も同研究所の特色の一つ。 「たとえばこころの働きを探る研究はモチベーションの解明にもつながり、それは玉川大学で展開している教育学の分野にも活かされます」と木村教授。またロボット工学の分野でも、この研究を基盤にロボットがコミュニケーションを行う研究が行われていますが、そこに活かされるのだそうです。そうした意味で、脳科学研究所の存在には大きな意義があります。来年度には修士課程も開設予定 現在のところ、脳情報研究科は博士課程後期のみで、玉川大学の学生がこの研究科で学ぶためには他の大学院へ進学し、修士課程を修了する必要がありました。「ただ2014年度からは脳科学研究科として再スタートを切り、修士課程も始まります(設置届出中)。脳科学だけでなく心理学なども取り入れ、人文社会系の学生も研究に加わることができるような修士課程にしていきたいと考えています」と木村教授。 また、これに先立ち2013年度には研究所内の組織変更も行われました。これまでの脳科学研究、知能ロボット研究、言語情報研究の3センター体制から、基礎脳科学研究、応用脳科学研究の2センター体制に。前者はシステム神経科学、ヒト認知神経科学、神経計算論、社会性神経生物学の4分野で構成され、後者は社会行動、心の発達、コミュニケーション知能、心の哲学の4分野で構成されます。両センターが独自の研究成果を世界に発信すると同時に連携も図ることで、新しい脳とこころの研究施設として、幅広いテーマに取り組んでいくこととなります。

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