学校法人 玉川学園 Puente 2014.06 vol.04

15/48

　将来のために、今こそ改革が必要といわれているのが、わが国における教員養成です。小原学長も常々その重要性を説いていますが、小学校、中学校、高校では大幅なカリキュラム改訂が行われており、それに対応できる教員が求められています。たとえば小学校では英語教育が始まりました。また小学生の理数離れが進む中、文系出身が多いこれまでの教育現場では、抜本的な改革を行うことも容易ではありません。玉川大学でもこれまで教育学部を中心に、多くの教員を現場へと送り出してきましたが、2014年度からはさらにこの教員養成を強化し、多彩な人材を育てていこうと考えています。それが、この4月からスタートした芸術学部芸術教育学科の開設と工学部数学教員養成プログラムの実施、そして大学院教育学研究科（教師教育学研究コース、IB研究コース）の開設です。さらに2015年度には文学部英語教育学科が新たに誕生する予定です。●芸術学部芸術教育学科　音楽教育コースと美術・工芸教育コースに分かれ、音楽教育コースでは「中学校教諭１種免許状（音楽）」、「高等学校教諭１種免許状（音楽）」を、また美術・工芸教育コースでは「中学校教諭１種免許状（美術）」、Puenteたまがわ│15■ Current Topics│近況レポート近況レポート──❷これまでも、通学課程、通信課程において数多くの人材を教育界に輩出してきた玉川大学。小学校への英語導入や理数離れなど、現在の教育界が抱える課題に対応すべく、質の高い教員養成に向けた学科改組等の教育改革に取り組んでいます。「高等学校教諭１種免許状（美術）（工芸）」が取得可能です。また両コースとも「小学校教諭２種免許状」が取得可能（条件あり）で、専攻科へ進学すれば中学校、高等学校の「専修免許状」も取得可能です。●工学部数学教員養成プログラム　これまでも工学部では数学教員の免許取得のためのカリキュラムを実施してきましたが、そのノウハウをもとに2014年度より、数学教員養成のためのプログラムを開講しました。このプログラムの履修を希望する受験生には、数学に力点を置いた受験科目が設定され、入学直後から数学教員を目指すための特別カリキュラムに取り組んでいきます。「中学校教諭１種免許状（数学）」、「高等学校教諭１種免許状（数学）」が取得可能です。工学部として数学教員の養成に取り組むだけでなく、教師教育リサーチセンターと連携し、さまざまな支援プログラムで学生をバックアップしていきます。●大学院教育学研究科　（教師教育学研究コース、IB研究コース）　教師教育学研究コースは、大学教職課程教員の資質向上のため、日本で初めて教員養成課程を担当できる大学教員を養成するコースとして設置されました。またIB（国際バカロレア）研究コースは、世界に通用する大学入学資格を付与する国際基準のIBプログラムを指導することのできる教員養成を目指しています。近年は日本でもIB教育を取り入れる学校が増えてきましたが、その指導者を育成する教育機関の設置は、日本で最初となります。　また、2015年4月に開設するのが文学部の英語教育学科です。国際社会の共通言語としての英語運用能力を重視し、実践的な学修によって国際感覚と指導力をもった英語教員や国際舞台で活躍できる人材を養成。「英語教員養成」と「ＥＬＦコミュニケーション」の２コースを設置する予定です。英語教員養成コースではＥＬＦセンター・教師教育リサーチセンター・国際教育センターや大学院文学研究科の英語教育専攻と連携をとりつつ英語教員を目指します。またＥＬＦコミュニケーションコースでは、世界中の人に通じる英語（ELF: English as a Lingua Franca）を駆使して世界で活躍する人材を育成します。大きな特色となるのが、2年次秋学期から9ヵ月にわたり、全学生が留学を経験すること。海外での多様な学びや体験を通して英語運用能力と国際感覚を身に付けることが期待されています。　「教員養成の玉川」として多くの人材を輩出してきた玉川大学。これからも、時代のニーズに応える教育を行っていきます。これからの時代に求められる教員養成の新たな取り組み時代のニーズに応える「教員養成の玉川」Teacher Upbringing Program「教員養成の玉川」が示す、多彩なプログラム学科改組や大学院教育による教育内容の充実ⅠCTを利用した授業例（低学年校舎）積極的なコミュニケーションが展開されるⅠBクラス

※このページを正しく表示するにはFlashPlayer10.2以上が必要です