学校法人 玉川学園 Puente 2014.06 vol.04
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Puenteたまがわ│31■ Alumni and Alumnae│全国で活躍する卒業生日本を代表する懐石料理の名店は、昭和21年、築地界隈の大御所たちによる要望から始まりました。創業者の田村平治さんは「三代が一緒に仕事する」のが「夢」だったそうです。三代目の隆さんは、3年間の大阪の名門料亭「高麗橋吉兆」の修業後つきぢ田村に。「当たり前のことを当たり前にするように心掛けている」と田村さん。お祖父様からの教え「頼まれたことはなんでもやりなさい、でも自分からガツガツするな」を守り、NHKの「きょうの料理」も引き受けてから30年が経ちました。 玉川学園校門の「人生の最も苦しい いやな 辛い 損な場面を真っ先に微笑を以って担当せよ」という小原國芳先生の言葉に感銘をうけ、この言葉が記されたテレフォンカードを卒業後も肌身離さず持ち歩いているそうです。 趣味は鉄道模型を作ること。ご自宅のリビングをぐるりと一周する鉄道模型。このために、サイドボードを特注で作り付けたとのことです。何時間でも模型が走るのを見て癒しの時間を過ごせるご自慢の空間を特別に見せてくださいました。 和食が文化遺産になったということは、「もう一度大切なことを初心に戻って見つめ直すという世界からのメッセージだと思っています」と、笑顔で話してくださいました。お父様の暉昭さん(高等51)、奥様の文子さん(短養80)も卒業生です。人形町 今半は明治28年(1895年)本所に牛鍋屋として創業したことに始まり、昭和27年に本所から「浅草今半日本橋支店」として開業、お祖父様の代に「浅草今半」と「人形町今半」となり、お父様が人形町今半を継いで独立しました。 お店で提供される牛肉は最上級の牛肉だけですが、こだわりはお肉だけではなく、社員教育にも見られます。接客の向上に努めるのはもちろん、正社員だけではなく今半で働くすべての従業員に経営計画を発表。皆に会社の理念を正確に伝え、毎年4月末には12回に分けて説明をされているとのこと。常に美味しく味わえるよう良い素材を揃えるだけではない部分でも努力をされていることが、背筋を伸ばして話される髙岡さんから感じられました。 東日本大震災を機に「我々の力で日本を元気にしなくてはいけない、海外から日本に行ったら『人形町 今半に行きたい』と言われるお店にしたい」と、今は海外に出向いてプロモーションなどをされているそうです。弟の哲郎(芸児85)さんは副社長として、社員教育の面で支えていらっしゃいます。 髙岡さんが高等部に入学して驚いたのは、毎日朝会で大きな声で歌を歌うことだったそうです。大学時代にはアーチェリー部で活躍し、関東学生連盟の委員長も務めたそうですが、今はフルマラソンに挑戦され、忙しい合間をぬって練習。東京マラソン等を3回完走されているそうです。●取材を終えて 日本料理を提供する老舗の卒業生にお会いして感じたことは、「お客様に美味しい物を素晴らしい時間や空間で楽しんでいただけること」、「新しいことをするより、当たり前のことをオープン当時から同じように続けること」、を大切に思い、先代からの想いを伝え続けていく使命をもってお仕事を楽しんでいる印象を受けました。 卒業した今、玉川学園の丘で過ごした友人達との温かい繋がりや、関わり合いを楽しんでいらっしゃる姿に、同じ卒業生として深く共感しました。日本橋 とよだ http://www.n-toyoda.com〒103-0022 東京都中央区日本橋室町1-12-3TEL:03-3241-1025営業時間:11:30~14:30/17:00~22:00定休日:日曜日・祝日つきぢ 田村 http://www.tsukiji-tamura.com/〒104-0045 東京都中央区築地2-12-11TEL:03-3541-2591/1611営業時間:平日(臨時休業あり)     11:30~15:00/17:30~22:00     土・日・祝日 11:30~22:00人形町 今半 http://imahan.com/〒103-0013 東京都中央区日本橋人形町2-9-12TEL:03-3666-7006営業時間:11:00~15:00/17:00~22:00定休日:元日つきぢ 田村 田村 隆(英商80)さん日本橋 とよだ 橋本 亨(高等81)さん人形町 今半 髙岡 慎一郎(理財83)さん店はひろげずにこの店で自分が死ぬまで包丁を握り続けたい」と文久3年から続くお店の五代目橋本享さん。初代は屋台の寿司屋から始まり、明治5年に2軒の店を構えて、仕出しを始めると便利さと味の良さからお店は繁盛していったそうです。 日本橋という場所柄、古くからの常連のお客様が多く、味を変えずに新しい料理にも挑戦するよう心掛けているとのこと。 最近では、江戸料理とワインの融合に積極的に取り組み、オーストラリアのワイナリーとのコラボから生まれた「わ」という名前の繊細な和食の味を引き立てる赤ワインをお店で堪能できるようになりました。 卒業生の方へのメッセージはありますか?と問うと「どんな腕のよい職人よりもお母さまの料理に勝るものはありません。個々の家の味を伝え続けて欲しい」とお話をしてくださいました。 お店の合間のお休みには、「居合」で心を磨き、無になることで疲れを癒すという橋本さん、2013年「第9回 居合道会国際大会」・七段の部では優勝する腕前をお持ちでもいらっしゃいます。「お

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