学校法人 玉川学園 Puente 2015.06 vol.05
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Puenteたまがわ│09■ Special Report│大学教育棟 2014が教員採用試験のための勉強をしている様子を見ると、自分も頑張らなくちゃという気持ちになります」とも語ってくれました。 この他にも文学部の4年生と3年生のグループは、ゼミでの発表のための準備として利用。「去年までだったら食堂や空き教室などで準備をしていましたが、この場所ができて非常に効率良く進めることができます」といった意見も。「日によっては2限の後に7限と、間が4時間も空いてしまう日があるのですが、ここをフル活用して勉強したり本を読んだりすることができます」、「学生同士でカンファレンス・ルームで勉強している様子を見ると、他学科での学びの内容を知ることができて面白い」などの感想もありました。そんな学生たちをサポートする教学部教育学修支援課 山崎千鶴課長からは、「開館当初の1週間ほどはまだ新校舎に慣れて キャップ制の導入で、学生が半期に履修できる単位の上限を16と定めたことにより、学生が自学自習に使える時間は大幅に増えました。この時間を、きちんと予習・復習に費やしてほしいというのが、大学の要望です。そのためには、学生たちが自由に学べる場所を用意し、1日8時間は大学内で学べるような環境を整える必要がありました。それも従来の図書館のような一人で黙々と机に向かうような場だけではなく、学生同士で意見を出し合ったり、プロジェクタやパソコン、ホワイトボードを使って研究を進められるような場が必要だったのです。教育の方法としてアクティブ・ラーニングの比重が高まってきたこともあり、それにふさわしい学びの場を作ることは、急務といえました。8学生が1日8時間を勉強に費やす場として時間は従来の大学生の感覚からすれば長いと思うかもしれませんが、予習・復習を含めれば当然それだけの時間が必要になるし、何より社会に出れば毎日最低でも8時間は仕事に就くわけです。そのためのいいトレーニングにもなると思っていました。 最近、カフェなどで大学生が勉強をしている姿をよく見かけます。学生たちの世代にとっては、周囲の目はあまり気にならないし、むしろ少し雑音があるほうが学びやすいのかもしれません。そうした学生気質も意識しつつ、ラーニング・コモンズの構成などを考えていきました。実は開館するまでは、実際に学生が利用してくれるのかどうか、非常に不安でした。けれどもいざオープンし、学生の利用を確認した瞬間にそうした心配は消えました。学生たちの賑やかな状況を眺めて、非常にうれしく思っています。この大学教育棟 2014が完成して、学生の学びのスタイルが変わったという声をよく聞きます。ただ、授業以外で学んでいる学生の数は、実は以前と今とで変わってはいないのではないかとも思っています。この施設ができたことで、いろいろな場所で人知れず学んでいた学生たちが一堂に集まり、視覚化されたのだと考えています。けれどもその視覚化がその他の学生に与える影響は大きく、それが大学全体にいい変化をもたらしていく。そのことに期待したいと思っています。いないということもあり、利用者もまばらだったのですが、その後は学生が自由に使っています。現在は目新しさもあって来てくれている部分もあるかと思いますが、こちらからいろいろと企画していくことで、現在のいい流れを維持したいと思っています。今後は学修支援の教員を中心に、期末試験に向けてのミニ講座なども計画しています」といった説明がありました。 「学生の要望にはできる限り応えていきたい。そのための大学教育棟 2014なのだから」と語る山崎課長。学生の発案と大学のサポートで、より良い使い方が生まれてくるのではないでしょうか。▪菊池 重雄 理事(高等教育担当)

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