玉川大学大学案内Puente2016
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Puenteたまがわ│29■ Alumni and Alumnae│全国で活躍する卒業生川崎◦何といっても玉川のモットーです。辛いときは自分に言い聞かせながら、これが他人(ひと)のためになると思って頑張りました。それから体育祭のマスゲームでの練習で、足先から指先まで厳しく指導されたことが、まさかレフリングに役立つとは思いませんでした。(笑)おかげで綺麗なシグナルを出せると、評価を受けることができました。また、玉川では国際交流が盛んだったので、海外で臆せずコミュニケ―ションがとれるので助かっています。小原◦レオさんが留学したきっかけは?川合◦一度、玉川の外に出たかったからです。『井の中の蛙大海を知らず』になってしまうと思い、まずは、友達から離れるために、ひとりで海外に行きました。中学部に進学した時も、自立したくて、当時学内にあった青雲塾に入りました。居心地が良くなると外に出たくなるのかもしれませんね。玉川で仕事をしていた時も、37歳の時に居心地が良すぎたので外に出て修行をしようと思いました。定期的に自分にリセットをかけたくなるのかもしれません。小原◦留学の話に関連しますが、玉川っ子は「いいかげん力」と言うんでしょうか?何か起きた時に、別の考え方をしたり、別の方向を切り開こうとする傾向がありますね。川合◦玉川で教育を受けたことで、枠がなくなったといいますか、柔軟性ができました。さまざまな人たちに接する機会があったので、今では外国人を含め、誰とでも自然に接することができます。小原◦玉川は、それこそ人種のるつぼと言いますか、ジャンルも違う、やっていることも目指していることも違う、個性豊かな人たちが集まっていますね。異なる方向に進んだ友人たちが同窓会や結婚式で再会したときに、ものすごいエネルギーで引き合う。いつも一緒にいるわけではないのですが、一緒になったときの引き寄せ力が強い。川合◦基本的に他人に干渉しませんね。プライベートゾーンを守りながら人に接する。でも決してよそよそしいわけでない。川崎◦確かに。距離感なくつきあえます。小原◦以前、レオさんが中学部の講堂で講演された時に、「人生で努力した時間に無駄な時間はない」とお話しされたことを伺いました。学生の中には「努力しても無駄」だと思っている学生がいます。私事で恐縮なのですが、私自身、まだ何も成し遂げていないというコンプレックスがあり、彼らにどういう言葉をかけたらいいのかわからないことがあります。学生達にアドバイスをいただけるでしょうか?川崎◦私は小学部から大学まですっと玉川学園に通い、卒業したら就職して会社で出会った人と結婚するんだろうなという、ごく普通の未来を描いていました。ところが、高校でラグビーと出会い、夢を見つけました。様々な人との出会いや多くの貴重な経験を積み重ね、レフリーになるなんて想像もしていませんでした。目標にむかって努力やチェレンジをすれば、新たな人生が始まることをぜひ後輩に伝えたいと思います。小原◦私の教えている教育学部では、先生になりたいという学生が夢をたくさん持ってやってきます。ところが、教育現場はきれいなことばかりじゃない。それこそ汚れ仕事や、問題も山ほどある。その現状を見た時に、教育に対して失望してしまう学生がいます。川合◦目先の目標だけでなく、最終的な目標があれば、何事も無駄にならないと思います。教育者になるというのは職業目標であって、人生の目標ではない。勉強して教育者になることで、子供や学生の学びに貢献できる。ひいては彼らがハッピーになる手助けができる。そういう考え方をすればよいのではないでしょうか。小原◦お二人のこれからの抱負を聞かせていただけますか?川合◦スポーツの発展を通じて社会を豊かにしたいです。社会が豊かにならなければ、自分も家族もみんなもハッピーではないので。社会を豊かにするという最終ゴールに向けて、今はラグビーを普及させたいです。ラグビーの普及により、日本のスポーツの発展に貢献できると思っています。さらに、ラグビー以外のジャンルの人達とも関わっていきたいです。細かい目標では、ラグビーの指導者養成に力を注ぎ、全般的なラグビー環境を構築していきたい。川崎◦身近な目標は2020年東京オリンピックで笛を吹くこと。そのためには海外トーナメントでの経験が重要になるので経験を積み重ねていきたいです。もう選考が始まっているので先ずは2019年のワールドカップでパネルに入れるよう頑張ります。特に7人制ラグビー(セブンス)にチャレンジしたいです。大きな夢は将来、日本の女子レフリーの技術向上と育成に携われたら嬉しいです。レフリーの立場からもラグビーの裾野を広げることができたら。そして日本ラグビーがもっと強くなって欲しいです。小原◦私も中高でラグビーをやっていたのですが、中途半端に終わってしまい、ラグビーに関わらないで、約20年が過ぎてしまいました。(笑)お二人にはありがたいお話をたくさん聞かせていただきました。本日はありがとうございました。川合レオさん玉川大学文学部教育学科1997年卒業。筑波大学大学院体育研究科 スポーツ健康システム・マネジメント専攻。Rugby Park Japan(一般社団法人ラグビーパークジャパン)代表理事。◉小学部から玉川学園で学ぶ。卒業後、1997年日本電気株式会社(NEC)に入社。社会人ラグビーで活躍。1998年より日本代表候補を経て、2000年、2001年に日本代表として活躍。2003年引退。◉学生時代はモデルにスカウトされたそうですが、ラグビーを続けるためにきっぱりお断りしたそう。"カッコイイ"がコンプレックスで、格好いいと言われるからには何かを成し遂げなければと、人一倍努力されたそうです。が、その穏やかな語り口のうちに秘めた熱さを感じました。◉子供たちが気軽にラグビーができるような環境を作りたいと、自らのスクールに「ラグビーパーク」と名付けたレオさん。「指導者の資格を取り続けていたら、いつのまにか日本協会のコーチ講習会の講師になっていました。」とサラリと話されていましたが、これからも人知れず努力を重ね、大きな夢を実現されていくのが楽しみです。Leo Kawai

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