全人2017特別号
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06│全人特別号対談│芥川賞作家 村田沙耶香さん×玉川大学学長 小原芳明「文藝春秋」3月特別号で実現した、芥川賞作家・村田沙耶香さん(文学部芸術学科'02卒)の母校訪問と小原芳明学長との対談。誌面に紹介されなかった内容を盛り込み、村田さんの母校への想い、小説執筆のヒントなど、小原学長が村田ワールドの魅力に迫りました。小原 芥川賞受賞、おめでとうございます。村田 ありがとうございます。卒業以来15年ぶりの母校訪問ですが、正門から池を見渡せて、大きな建物が見えますし、だいぶイメージが変わってびっくりしました。でも池の向こう側の3本のツリーを見て、クリスマスのイルミネーションが点灯する前に、女子生徒たちがハンドベルの演奏をしていた光景やその音色がよみがえりました。小原 ハンドベル演奏は今でも行っていますよ。建物などは新しくなっていますが、昔から変わらない玉川の風物詩はたくさんあります。「大学教育棟 2014」は、玉川大学を象徴する最新の学修の場です。教育学術情報図書館・講義室・研究室・大学事務室の機能を融合させ、協同で学修できるラーニング・コモンズなどを備えています。村田 通っていた頃、敷地内にいくつか図書館があって、よく利用したのは分室だったと思います。すごく古くて、いつもがらんとして、その静かさも好きでした。ここは人が賑わっていて、皆が勉強していて、すごく居心地がよさそうですね。このような最新の図書館があるのは羨ましいです。玉川大学で学んだ日々。小説の世界へと続く確かな道が見えてきた。15年ぶりの訪問でよみがえる在りし日の玉川の情景2016年、第155回芥川賞の受賞式でスピーチする村田沙耶香さん(写真提供:日本文学振興会)「大学教育棟 2014」4階 『聖体の論議』陶板前にて村田沙耶香さん作家。小4の時から小説を書き始める。玉川大学文学部芸術学科で小説や詩の講義を積極的に受講するなどして研鑽を積む。2016年『コンビニ人間』で芥川賞を受賞。小原芳明学長

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