『全人』2018年5月号 No.827より
2018年5月号 No.827
2019年に創立90周年を迎える玉川学園・玉川大学。節目の年を前に、本学ではグローバル化社会で求められる人材育成をめざして、学修スタイルの変化に対応する新校舎の建設と環境整備に着手しました。2020年、2021年に運用開始予定の新校舎2棟などを報告。巻頭では小原芳明学長と文学部・工学部・芸術学部の4年生3名の座談会を収録しています。「研究エッセイ」ではリベラルアーツ学部の佐藤由紀教授が大学院在学中より取り組む「希望学」研究を紹介。岩手県、福井県におけるフィールドワークを軸に、希望が息づく社会の在り方を考察します。
今月号から新連載がスタートしました。ジャーナリストとして活躍する中西茂教授が教育界の最新動向を探る「教育探訪」、玉川の教育・研究活動の成果をデータで掘り起こす「数字でみる玉川」を隔月で掲載します。ぜひご一読ください。
表紙写真=岩崎美里
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- 菊田:
私は留学でボランティアやインターンシップを経験して初めて教員の仕事が深く理解できた実感があります。
- 学長:
大学が最高学府と呼ばれ、象牙の塔にこもっていられたのは過去のこと。今は多くの人に開かれた場になった。同時に大学は高校卒業後に自立した社会人になるための「移行機関」だという認識も広まりつつある。
- 田口:
社会の認識が変化すると大学の果たす役割も変わるのでしょうか?
- 学長:
もちろんだよ。みんなが卒業後に初めて社会の実情を知って戸惑ったり、迷ったりするようでは困る。社会に近づく経験を積む機会を設けることは大学の責務だし、今後果たすべき機能のひとつとして重要性が高まるだろう。
- 藤井:
仮囲いアートのデザインは、ごみを燃やしたりして出るエネルギーを再利用する施設の工事現場のためなのですが、その施設の仕組みや「持続可能な発展」の概念を企画段階で勉強しました。
「分野を超えて社会につながる学びを」 小原芳明学長×学生座談会 p4
- 菊田:
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STREAM Hall 2019は、大学教育棟 2014で取り入れた“見せる化”をさらに推進させて、吹き抜けを通じて上下階のオープンスペースで行われる異分野の学びが互いに見える施設づくりを進めています。
10年後、20年後、教育のかたちは大きく変わっているかもしれません。そうした予測のもと極力フレキシビリティに、時代に即した使い方ができるように設計されています。例えば机を自由に動かせるように天井から電源をとる、座学に限らず立って講義を受ける机やイスの導入を検討するなど、あらゆる変化に対応できるよう、さまざまな工夫がなされています。「コンセプトは“見せる化”による、異分野融合のアクティブ・ラーニングの推進」 北川昭一 p10
目次
- [特集]変わる大学
小原芳明学長×学生 座談会
分野を超えて社会につながる学びを
ESTEAM教育の拠点となる2棟が誕生します
南さつまキャンパス実習レポート
変化する学修スタイルを支える空間づくり
故きを温ねて 56 「聖山の中腹に、全く堂々と」白柳弘幸 - TAMAGAWA GAKUEN NEWS
- 行事報告
幼稚部こども会…大池絢子 - 研究エッセイ
希望学 社会の中の希望を探る…佐藤由紀 - 玉川玉手箱 16
ハンドル越しのまなざし…魚崎祐子 - 今月の一労作 47
生物自然研究部「野草園労作」 - 数字でみる玉川 1
通信教育課程で学んだ学生数 - 教育探訪 1
キャンパスとエネルギー…中西 茂 - キャリアナビゲーション ’18
株式会社博展 木島大介さん+就活Q&A - Book Review 157 『Harry Potter and the Order of the Phoenix 』…吉田遼太郎
- 教育博物館館蔵資料紹介 309 「頼山陽筆蹟 一行書」…菅野和郎
- 玉川の仲間たち 「アステカ人の贈り物 栽培トマト」…田淵俊人