『全人』2019年5月号 No.838より
2019年5月号 No.838
創立者小原國芳が「ゆめの学校」を思い描いて開校した玉川学園は、今年90周年を迎えました。全人教育を不変の教育理念として、時代の流れに合わせた教育活動を進める中、本学は今年度より「ESTEAM教育」=(ESTEAM:English、Science、Technology、Engineering、Arts、Mathematics)を推進します。学長・学園長とK-12生徒・学生による座談会をはじめ、工学部・農学部・芸術学部を対象とした融合授業の紹介、ESTEAM教育にあわせた学修環境の整備状況の報告などにより、90周年を迎えてさらに変わりゆく玉川の今を紹介します。「研究エッセイ」では芸術学部パフォーミング・アーツ学科の学生全員が取り組む上演実習による学びと成果を、多和田真太良准教授が紹介しています。
表紙写真=岩崎美里
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- 原田
あっ、英語の授業があるELF Study Hall 2015の隣ですよね。
- 学長
うん。学問の文理融合は世界的な潮流。学問は異なる専門分野の間で情報をシェアして、イノベーションを起こして社会に貢献するべきなんだ。新校舎はそのためのインフラになる。スマートフォンのように、エンジニアリングで生み出される製品にもアートの要素が求められる時代だものね。
- 高嶋
私も機能以外の何かで選んでいるかもしれないなって思います。
- 学長
だからアートも工学や農学のように、ものをつくる人たちと混じり合って学ぶ機会がないといけない。
- 中山
自動運転車を含めて人間と共生するロボットには、機能に加えて仲間と思える何かが必要だと思います。そこでアートの感覚が求められるのではないでしょうか。
座談会 学長・学園長×学生×生徒「夢に向かって挑戦する心を」 p4
- 原田
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演劇研究室では、実習公演の上演戯曲について4カ年計画を立て、2018年度は「現代日本演劇」という年間テーマで創作に取り組んできた。「現代日本」をどのように捉えるのかが重要だが、「平成最後の演劇公演」であることを念頭に、まずは平成とはどんな時代だったか、に思いを馳せることにした。
確かに元号など一つの指標にすぎない。しかし今や芝居を創る学生も、芸術学部パフォーミング・アーツ学科も「平成の申し子」である。すでに「戦後」であった時間の4割強を昭和ではなく、30年を超えた「平成」が占めるようになった今、歴史の一コマとして十分に振り返るに値する質量を伴った世代になったわけだ。研究エッセイ「舞台創造をめぐる芸術と科学の融合」多和田真太良 p26
目次
- [特集]学園創立90周年
座談会 学長・学園長×学生×生徒
夢に向かって挑戦する心を
工学部・農学部・芸術学部 融合価値創出プロジェクト
STREAM Hall 2019、来年1月竣功予定
写真で振り返る90年
第90回創立記念日 全学教職員の集い 理事長挨拶抄録
新年度にあたって…小原芳明
故きを温ねて 67
「共に学び、共に遊び、共に歌い、共に働き、特に共に食べる」…白柳弘幸 - 2018年度玉川学園・玉川大学卒業式 卒業生スピーチ
- TAMAGAWA GAKUEN NEWS
- 生涯学べ 59
栗原弥生 やまた幼稚園園長 - 研究エッセイ
舞台創造をめぐる芸術と科学の融合…多和田真太良 - 玉川発見伝 20
農学部農場のビオトープ…モリナガ・ヨウ - Teaching @ Tamagawa 6
Making lessons accessible…Aidan Leach - キャリアナビゲーション ’19
ケイヒン株式会社 梅室昌平さん+就活Q&A - Book Review 168 『聖灰の暗号』…坂上雅道
- 教育博物館館蔵資料紹介 320 「『幼年の友』」…宇野 慶
- 玉川の仲間たち 「ケラ」…佐々木正己