『全人』2011年11月号 No.755より
11月号は「教育現場レポート」として、「玉川教育フォーラム2011」のシンポジウムを巻頭で抄録し、続いて通信教育部の今年の夏期スクーリング報告を掲載しました。「いま問い直す『生きる力』を育てる教育」と題されたシンポジウムでは、体験学習、ユーモア詩、宗教教育などの実践をうかがいながら、玉川の全人教育をあらためて問い直しました。
研究エッセイは「ヒットする製品」。企画や設計の段階で品質管理を行うQFDについての分かりやすい解説です。連載「教育連携@K-12」では大学生がかかわる5年生の環境学習をルポ。学園全体の環境への取り組みも紹介します。学園ニュースは町田市とリベラルアーツ学部が共催する小学校英語の研修会、SSHのドイツ研修、英語劇部のオーストラリア公演を取り上げました。
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今年は玉川学園創立者の小原國芳先生が「全人教育」を提唱されてから90年だと伺っています。私は「全人教育」とは文字通り、人間の全的円満な発展を目指す、つまり「知性・感情・意志」が揃った人間づくりで、生きる力を育む教育そのものだと思います。(中略)
2008(平成20)年、よりいっそう「生きる力」を育成することを基本理念にした学習指導要領へと改訂されました。今回の学習指導要領では、改善事項に、(1)言語活動の充実、(2)理数教育の充実、(3)伝統や文化に関する教育の充実、(4)道徳教育の充実、(5)外国語教育の充実、(6)キャリア教育の改善などが挙げられています。特に、「生きる力」の育成には言語活動や体験活動の充実が重要視されています。また、芸術教育や環境教育などの充実も求められ、まさに「全人教育」が必要とされています。「『生きる力』を育てる」 銭谷眞美(シンポジウム発言より抜粋) p4
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創立以来、玉川学園では「自然の尊重」を教育信条の一つに掲げてきました。季節の移り変わりや一日の自然の変化に親しむことは、学問や芸術、スポーツに励むことと同様にかけがえのない経験であり、自然環境は大切な教育設備だと考えているからです。(中略)
今、環境問題抜きに社会問題を語ることはできません。三月に起きた東日本大震災をきっかけに、誰もが自然やエネルギーについて考え直さざるをえない状況です。
「環境について『勉強する』のではなく、人との交流や体験のなかで『気づく』ことが大切だと思います。気づいた一人ひとりが行動すればいい方向に向かう。多くの子どもに、そのきっかけを提供できればいいなと考えています」(学生環境保全委員会の橋本さん)「教育連携@K-12 体験活動が気づきを生む『環境学習』」 p14
目次
特集◎教育現場レポート
- 玉川教育フォーラム2011シンポジウムより
「生きる力」を育てる - 通信教育部夏期スクーリング2011
多彩な学びの場を提供する…作間慎一 - 学園ニュース
[大学]町田市小学校英語「授業力・教育課題研修会」…佐藤久美子
[K-12]SSH研修報告 ドイツ・ゲーテ校とサイエンスを通して交流…渡辺康孝
[K-12]高学年英語劇部オーストラリア公演…榑松史人 - 教育連携@K-12 3
5年生×学生環境保全委員会「環境学習」 - なるほど! 英語 3
ピーター・バラカン「ショッピング」と言わないで - 学びの時間 5
経営学部観光経営学科 香取幸一 研究室 - 玉川の丘めぐり 16
歌い継がれて80年「北原白秋と運動会歌」…白柳弘幸 - Book Review 85
『暗号解読--ロゼッタストーンから量子暗号まで』…山埼浩一 - 子どもの本で世界をまわる 16
〈イラン〉愛甲恵子 - 生涯学べ 5
学校・家庭・地域で子どもを見守る
―熊本県球磨郡山江村立山田小学校教諭/恒松龍治 - 課外活動訪問 16
女子ゴルフ部=フェアプレーを重んじるスポーツ - 研究エッセイ
ヒットする製品--品質管理の立場から…永井一志 - 小児科ドクターの診療カルテから 5
熱の出ないかぜの正体は? - Career Navigation '11
仕事インタビュー〈外資メーカー・セールス〉&イベントスケジュール - 学外施設定期便 16
新緑から緑一色へ〈神奈川県/箱根〉…杉本和永 - 同窓会インフォメーション
同窓会がIBクラスの研修旅行をサポート - 学園日誌…小原芳明
- Photos of the Day│玉川大学工学部市民公開講座
- 平成23年度 玉川大学 第九演奏会のご案内
- 学園スケジュール│玉川大学・K-12のイベントと入試に関するご案内
- 表紙の風景│無∞限 岩舘 涼 【作】
- 教育博物館館蔵資料紹介 237│聖母子像…柿埼博孝
- TAMAGAWA HEADLINES 学園近況
- 玉川の仲間たち│シュッコンソバ…石川晶生