『全人』2012年1月号 No.757より
1月号では小原芳明学長の新年を迎えての提言を掲載。未曾有の災害に遭った2011年を振り返りつつ、玉川教育と大学の果たす役割について言及します。
巻頭では、「生活力を磨く!」と題し、大阪府立高校で初めて男性家庭科教員に転身した南野忠晴先生に寄稿いただきました。副教科として軽く扱われがちな家庭科の学習ですが、家庭科がいかにストレートに暮らしや心や体とつながっていて、生きる力の土台になるか、読めば納得。ポイントで計る「生活力チェック」も、ぜひ試してみてください。
11月に行われたコスモス祭は、学部ごとの取り組み発表を取材するとともに、東日本大震災で中止になった卒業記念パーティーが同窓会主催で行われた様子を紹介しました。学園ニュースではラウンドスクエア国際会議への参加などを報告。連載「教育連携@K-12」では農学部生が2年生の総合科「お米の学習」をサポートする様子をルポしています。
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日々の生活の中で、自分でやれることはしっかりと自分でやって、困っている人がいれば助けることができる、そんな「生活力」のある人がこれからの魅力的な人物像となるに違いありません。「イクメン」や「ダン家事」が注目されるなど、そのような兆候はすでにあちこちで見られます。
家庭科が提案していることがこの「生活力を身につけよう」ということに他なりません。でも、上手い下手、できるできないという、順位づけや能力と結びつけるようでは、いつまでたっても本当の意味での豊かさにはたどり着けません。人生には何があるかわかりません。この長い人生において、たとえ障がいを得てできないことが増えたとしても、自分にできることをこなし、誰かの役に立てることはないかと考える、そういう前向きに人間関係を作ろうとする姿勢が持てるかどうかが問われているのです。「生活力を磨く」 南野忠晴 p6
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5月、農学部の田んぼに2年生が集まり、泥んこになって遊んでいます。実は、ただの泥遊びではなく、肥料と土を混ぜて水を入れた田んぼに、田植えがしやすくなるように土をやわらかくしている「田起こし・しろかき」の作業の一部です。1週間前には、種もみを育苗箱にまき、田んぼに植える苗の準備をしました。(略)
玉川学園では、創立以来「自学自律」を教育12信条の一つに掲げ、低学年の学習においても、「学ぶ」楽しさに気づき、自主的・意欲的に学習に通り組む態度の養成を大切にしています。以前から、「総合科」を設け、植物の栽培のほか、家の人や学内各部処の仕事を調べるなど、子どもの生活に根ざしつつ、教科の枠や時間の枠にとらわれない体験的な総合学習が行われてきました。そうした学習の一つが「お米の学習」です。「教育連携@K-12 2年生×農学部」 p20
目次
- 平成24年を迎えて…小原芳明
- TAMAGAWA VISION 2020スタート!
- 生活力を磨く!
豊かな人生を築く家庭科…南野忠晴 - 学園ニュース
[K-12]ラウンドスクエア国際会議…榑松史人
[大学]理数系教員研修事業「秋の環境学習」を開催…佐治量哉 - 玉川大学 コスモス祭2011
- 教育連携@K-12 4
2年生×農学部「お米の学習」 - なるほど! 英語 4
ピーター・バラカン お金は「マネー」じゃ通じない - 学びの時間 7
教育学部乳幼児発達学科 豊田一秀研究室 - 玉川の丘めぐり 18
創立以来の祈りの場「聖山」…白柳弘幸 - Book Review 87
『数の大航海──対数の誕生と広がり』…樋田栄揮 - 子どもの本で世界をまわる 18
〈スウェーデン〉菱木晃子 - 生涯学べ 7
伝統芸能「文楽」の普及が夢──特定非営利活動法人 人形浄瑠璃文楽座事務局/峯田悦子 - 課外活動訪問 18
箏曲部=三絃、箏、尺八による合奏 - 小児科ドクターの診療カルテから 7
一家総出のとんだ年越し A型肝炎 - Career Navigation '11
仕事インタビュー〈展示ブースデザイン事務所 デザイナー〉&イベントスケジュール - 学外施設定期便 18
雪虫の舞う季節〈北海道/弟子屈〉…大宮正博 - 同窓会インフォメーション
ホームカミングデーを終えて - 学園スケジュール│玉川大学・K-12のイベントと入試に関するご案内
- 表紙の風景│浄土図 荒井優子 【作】
- 教育博物館館蔵資料紹介 239│小供風俗たこあげ…菅野和郎
- TAMAGAWA HEADLINES 学園近況
- 玉川の仲間たち│クスノキ…山岡好夫