『全人』2015年4月号 No.793より
2015年4月号 No.793
1年間の学びの成果を展示と発表で伝える「玉川学園展」。4月号は、誌上に児童・生徒の作品を掲載し、特集を「伝える力を育てる」としました。学びの中の発見をどのように表現し、人に伝えるか――玉川が教育の柱としてきたことが、見事に形になっています。巻頭では、ベストセラー『伝え方が9割』の著者・佐々木圭一氏にコミュニケーションの具体例を語っていただき、さらに玉川学園における「模擬国連」の取り組みもレポートと研究エッセイで紹介。伝える力を鍛え相互理解につとめる、教室内外での一生懸命さがあふれています。
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僕が生徒・学生の皆さんに必ず言うのは、「相手の頭の中を想像して話す」ということ。これは、相手に自分の考えを伝えるときのすべての基本、いわば伝え方の極意だからです。たとえば掃除をしないクラスメートにどう言えばしてくれるか。10歳までだと、思ったことをつい言ってしまうかもしれないけれど、我慢して相手の頭の中を想像してみる。1つの方法は、「どっちがいいか」を選んでもらう。「廊下の掃除がいい? それとも椅子の片付け?」と。「どっち?」と相手が選べるようにもちかけると、やってもいいかなという気持ちを起こしやすくなります。
「人を動かす言葉」 佐々木圭一 p4
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模擬国連では、担当国の文化的歴史的背景を調べ、リサーチした情報を理解しつつ取捨選択し、担当国の現状に合わせた具体的な政策提言にまとめます。生徒たちは、各国の政策提言との相違点を的確に把握する一方で、妥協点を見いだし、交渉しつつ合意形成をはからねばなりません。この過程がプレゼンテーション力を含めた高度なコミュニケーション能力を養います。(略)
交渉に長けた百戦錬磨の外国人たちの中に出ていく日本の若者に、模擬国連で思考の原則とスキルを培い、交渉力=論理的思考力+創造的思考力+批判的思考力+プレゼンテーション力を鍛える必要性は、今後、ますます高まってくると思われます。「模擬国連の交渉学」 後藤芳文 p14
目次
- [特集] 伝える力を育てる
人を動かす言葉 佐々木圭一
玉川学園展
低学年(1-4年生)
中学年(5-8年生)
学びを伝える取り組み
故きを温ねて 22
「神様に聞いて頂く気持ちで」…白柳弘幸
研究エッセイ
模擬国連の交渉学 後藤芳文
K-12 Report
第1回 玉川模擬国連会議 全国から14校133名が参加 濱野あづさ - TAMAGAWA GAKUEN NEWS
- 学びの時間 43
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成田美穂 葉山町立下山口児童館指導員 - Our Job, Our Pride 32
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