令和2年度秋学期授業へ向けて

 今年2月以来、中国武漢市で源発した新型コロナウイルスの蔓延に伴い、休業と休校措置が取られ卒業式を挙行することができませんでした。そしてその延長で令和2年度春学期も登校制限の下、入学式を行うこともなく遠隔授業を実施してきました。

 大学を含む学校教育は「閉ざされた空間に、子供たちが集いそして机を並べて学ぶ」様式を基本としてきました。この「集まり、近寄り、閉鎖」(集近閉)型教育様式は感染予防の基本となる「三密を避ける」生活様式とは相反しており、病原菌・病原体の感染拡散は集近閉を基本としています。

 そのための方策が「離れる、散らばる、開かれている」型の教育です。この「離開散」型の教育がネットワークを活用しての遠隔教育です。

 連日の報道にあるように、東京アラート解除後の感染者数はそれ以前より拡大する傾向です。世界中の研究者がワクチンと治療法について研究開発中ですが、これは時間だけではなくコロナウィルスの変異との競争です。ウィルスの変異が強化なのか弱体化の傾向なのかは解明されていませんし、インフルエンザウィルスと同様に冬期により一層活性化するのかさえも判っていません。

 そうした状況の中、秋学期開始の時期が迫ってきています。そこで本学としては春学期同様に遠隔教育を基本とした「ハイブリッド型」の教育を実施することにいたしました。ハイブリッド型とは、遠隔教育と対面型授業とを組み合わせた形態で、離開散を保ちつつ行う集近閉型の教育です。

 今回の感染はヒトからヒト、さらにヒトへと1対Nの拡がりです。学生諸君は自分が感染するのを避けるだけではなく、自分が拡散者(Spreader)とならないように学外での行動に配慮することに心がけてください。ある意味で私権を自律することでもありますが、今のところ新型コロナウィルス感染拡散防止には必須なことであることを自覚してください。医療科学は日進月歩で発展していますから、それがコロナウィルスの変異に追いつきそして制御できる日は必ず訪れます。そうした未来へ期待を込めて、今求められているのが行動の自己規制ですが、それに耐えてくれる君たちであることを期待しています。

令和2年8月19日

 玉川大学長 小原芳明