学校法人 玉川学園 Puente 2012.06 vol.02


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近年、玉川が存在感を増している分野の一つにロボットがある。競技会では上位入賞の常連で世界大会の出場も経験済み。学内で開催されるイベントを通じて、最先端の研究を肌で感じることもできる。 「教育の玉川に加えて、ロボット研究の玉川というブランドが定着したらうれしい」─そう語るのはTRCP(玉川ロボットチャレンジプロジェクト)のキーパーソン、工学研究科長の大森隆司教授だ。 TRCPの目的はロボット関連のプログラムに一貫性を持たせること。玉川には、小学4年対象のロボット作りから工学部機械情報システム学科の講義科目「PBLI・II・III」(PBL:PROJECTBASEDLEARN-ING)まで幅広いプログラムがある。ワンキャンパスのメリットを大いに生かそうというわけだ。まずはロボットを組み立てて親しみを抱き、次はプログラミングで自在に動かす喜びを知り、さらには高度な研究に挑戦する。つまり、ロボットを軸にして、子供たちは新しい階段を上り、成長していくのだ。 もう一つの目的はK-12の理科教育を支援する教材開発だ。併せて教材の活用ノウハウを確立することが重要と大森教授は語る。昨今、子供の理科離れが指摘されているが、その背景には、多くの小学校の教員は理科が苦手だという実態がある。教える側に苦手意識があっては、玉川教育の今が分かる活動リポート子供の好奇心を刺激する楽しく学べるロボット教材開発TRCP|玉川ロボットチャレンジプロジェクトTAMAGAWAROBOTCHALLENGEPROJECT大森隆司教授・工学研究科長文=林愛子 写真=相澤裕明子供たち×ロボット理科の面白さが伝わるはずもない。 「文系の先生でも楽しく教えられるような、正規のカリキュラムで使える教材開発を目指しています。例えば、モビールにロボットを組み合わせた美術の教材が誕生するかもしれませんね」 子供の興味関心を刺激するロボットを仲立ちにした新しい理科教育で、日本のモノ作りマインドが未来に受け継がれることを期待したい。大切なのは、子供たちがロボットを自分の手で作り動かすこと。「分かった!」「できた!」という感動が財産となると語る大森教授。「ロボカップジャパンオープン2013東京」が玉川学園で開催●2013年5月4日(土)∼6日(月・祝)の3日間、玉川大学・玉川学園で、ロボカップジャパンオープンが開催されます。(共同開催:NPO法人ロボカップ日本委員会)10VOL.02


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