学校法人 玉川学園 Puente 2012.06 vol.02


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視した集中できるスペースを設ける。特に2階入口正面のカウンター横には、85万冊規模の自動搬送書庫エリアと「小原文庫」を見える化したブックサロンがある。 「創立者の小原國芳先生は幅広い分野の書物を多数集めていましたので、その蔵書の迫力を感じられるようにした書斎風の空間を予定しています」(図書館収集課 武林輝曉課長) 学生たちは貴重な蔵書を見るだけでなく、学園創立の歴史や理念、創立者の向学心の高さ、教育に対する情熱にも触れられる。ここは玉川学園を知る空間なのである。 3階は対話を重視したフロア。従来の図書館は私語厳禁で静かな場所というイメージが強い。だが新しい学習のスタイルとして仲間や教員との対話、ディスカッションが欠かせないことから、ここにはグループワークやプレゼン練習用のスペースを設ける。学習支援カウンターやIT支援カウンターなども併設し、幅広く学生の学習をサポートしていく。 4階には教学部やキャリアセンター、学生センターを含む大学事務室を設置。英語学習センターやITサポートデスクもあり、学生の生活全般をサポートするような構成だ。学生はこのフロアを通過し、大学2号館へと向かうことになる。 5階と6階は新たな講義室、7階は研究室と教職員ラウンジとして活用される。また、2階からはレストランへアクセスでき、4階にはカフェが併設されるので、この大学MMRCではいろいろな場面で学生や教職員が接点を持つことが期待される。 「施設としても先進的なコンセプトがさまざまに盛り込まれています」と語る管財課北川昭一課長補佐。一例を挙げると、免震構造による耐震性確保、発電機によるバックアップ電源確保、自然通風と自然採光の有効活用、床下空調の採用による静粛性の確保など。さらに外観は伝統と格式を醸し出すアカデミックなデザインを採用。内側も外側も環境と調和する建築物となる予定だ。 2012年8月から準備工事が始まり、2015年3月竣工、4月利用開始を目指す。新たな知の拠点の誕生が待ち遠しい。トップライト(自然採光)居住域空調(床空調)免震構造陶板換気スリットエスカレーター大講義室図書館図書館図書館エントランスホール図書館図書館講義室講義室研究室研究室エントランスホール自動制御ブラインド自然換気換気換気←玉川池へ大学2号館へ→換気換気エスカレーター採光採光太陽光発電パネルのあたらしいアイデンティティの創出表現したアカデミックな建物外観傾斜屋根といった落ち着きある外観表現の顔となる新しいキャンパスイメージをそのため、歴史と伝統の蓄積、そして未来の思いをあわせもつ学際的なイメージをす。い景観潤いと安らぎを与えて続ける玉川池の周な食堂テラスや渡り廊下が配置される、しみのある広場に生まれ変わります。季植栽や広い芝生の空地が配されることで、関係者の新たな憩いの場となります。2015年春に竣工予定の大学MMRC(仮称)。アカデミックな雰囲気が漂うが、内部は最先端のテクノロジーに満ちている。左側はレストラン。大学生は全員が大学MMRC棟1階から4階までのフロアを通過してから大学2号館へ向かう。写真上:創立者小原國芳先生の書斎。小原記念館に保存してあるこの書斎を大学MMRCに模築する計画が進んでいる。写真左:國芳先生・信先生が収集した世界各国の聖書。これらも大学MMRCで閲覧できるようになる。写真下:國芳先生が愛用していた書見台。講演旅行の際にも持参したという。7VOL.02


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