ブレンディッドスクーリングに向けて

2017.08.01
田畑 忍

玉川大学通信教育課程では今年度、ブレンディッドスクーリングを実施します。このスクーリングでは、まずは講義動画を視聴します(メディア授業)。動画を見るだけではなく、テキスト学修やレポート作成などの課題もあります。その後、対面授業(スクーリング)を2日間受講します。

左の写真(上の2枚)は、大学教育棟2014にあるスタジオで講義動画を撮影した時の様子です。メディア授業は7時限ありますので、その分の動画を撮影しました。しかし、私がうまく話すことができなかったり、説明が不十分だったところがあったりして、何度も撮り直しをしました。また、今回は3枚目のように、私の横にPowerPointのスライドを大きく映すようにしました。このためには、編集で背景を消し、合成する必要があります(クロマキー合成)。そこで、今回は1枚目にあるように、緑色のスクリーンに薄くスライドを投影し、それを見ながら話すようにしましたが、この方法では文字が見えにくく、結局は2枚目にあるように、通大事務部のプロジェクトメンバーの方にカンペを持ってもらいました。簡単に書いていますが、現場では本当に大変なことの連続でした。

今回、特に大変だったのは著作権の対応です。著作者への連絡や使用許可申請などはすべて、プロジェクトメンバーが行ってくれましたが、本当に大変だったと思います。著作物を学校の授業で使う場合、授業を担任する者および授業を受ける者は、必要と認められる範囲内で著作物を複製することができます。ここでポイントになるのが「授業の過程における使用」です。今回のように、動画などをサーバに置いておき、それを視聴する場合は、「授業の過程における使用」とは認められません(例えば、学級通信に著作物を掲載するのも「授業の過程における使用」ではありませんので注意してください)。そのため、通学課程の授業で使っていたスライドがそのままでは利用できないということが起こりました。

実施はこれからですが、準備も含めてしっかり検証し、今後に生かしたいと思っています。

プロフィール

  • 教育学部教育学科 通信教育課程 准教授
  • 三重大学大学院 教育学研究科学校教育専攻 修士課程修了。教育学修士。
  • 三重大学大学院 工学研究科システム工学専攻 博士後期課程修了。工学博士。
  • 専門は、教育工学、教育方法学。
  • 皇學館大学・名古屋女子大学非常勤講師などを経て現職。
  • 論文に『ステップごとの解説の作成と相互評価をとり入れた問題づくり授業』『ワークブックを用いた演習を支援するシステム-教師による直接指導と同等の支援を目的とした演習支援システム-』などがある。
  • 学会活動:日本教育工学会、コンピュータ利用教育学会 会員