健康であるということ

2024.03.01
三橋 綾子

2023年度より教育学部に着任しました三橋綾子です。教育学部専任としての着任は今年度ですが、実は玉川歴は長く、学部の頃よりお世話になっています。大学院では全人教育における健の教育の研究を開始し、その後はTAPセンター、教育学部、玉川学園secondaryの専任や非常勤講師として、児童・生徒・学生に対して健の教育を実践してきました。また、ヨガインストラクターとしてもレッスン参加者の健康を支援してきました。

ではここで「健康」とはどの様な状態のことかを確認してみましょう。1948年に発効されたWHO憲章では、前文において「健康」を次のように定義しています。

「健康とは、病気でないとか、弱っていないということではなく、肉体的にも、精神的にも、そして社会的にも、すべてが満たされた状態にあることをいいます。(日本WHO協会訳)」

つまり「健康」とは、体調管理や病気の予防をし、体調を崩したとしてもうまく対処できる「肉体的な健康」、問題や困難が生じた時にもそれを乗り越える為に自分らしい意思決定ができて、それを幸せだと感じられる「精神的な健康」、孤立せずに人と互いに協力して喜び合い、信頼関係を築く「社会健康」。この3つが調和していることが「健康である」ということだと考えます。

さて、ここまで見てみると全人教育において大切なキーワードが出てきました。そう「調和」です。玉川学園の創設者小原國芳先生は、調和のとれた人間形成が大切だと考えました。全人教育6つの価値の1つに「健」があります。この「健」の教育を具現化する為に取り入れたデンマーク体操(参考資料)は、まさに調和のとれたものでした。私はデンマーク体操の実践研究者でもありますが、デンマーク体操の魅力は、ダンスや器械運動、新体操、組み立て体操などの要素が調和的に盛り込まれているところ、健康をベースにしているところ、そして何より体操を通して調和のとれた人格を育成することを目的としているところだと思っています。私はデンマーク体操を通して、自身の心身と向き合うこと、自身の心身をコントロールすること、協力、信頼、リーダーシップ、フォロワーシップ、努力、挑戦、思いやり、想像力、創造力などたくさんのことを学びました。これらは「健康」の定義にも当てはまっていることに加えて、社会に出てからも役立つ力だと実感しています。

この様に私は、「健康」についてデンマーク体操や健の教育の観点から考え、今後の教育・研究活動に活かしていきたいと思っていますが、皆さんの健康状態はいかがでしょうか?身体も心も社会的にも健康でなくては、勉強や仕事、生活をするのが難しい場面が出てくるのではないかと考えます。「健康」は生活の基盤と言っても過言ではありません。この機会に1度、ご自身の「健康」に目を向けてみてはいかがでしょうか?

参考資料

プロフィール
  • 所属:教育学部 教育学科
  • 役職:講師
  • 最終学歴:玉川大学大学院 文学研究科教育学専攻
  • 専門:身体教育学(デンマーク体操、マスゲーム、健の教育、器械運動、ヨガ、体つくり運動)
  • 職歴:
    ・玉川大学学術研究所 心の教育実践センター 専任(2008年3月まで)
     玉川学園 小学部・中学部・高等部 非常勤講師(2008年3月まで)
    ・横浜市立 青葉台中学校 非常勤講師(2009年3月まで)
    ・平塚市立 旭陵中学校 非常勤講師(2010年3月まで)
    ・星槎学園 高等部 昴校 非常勤講師(2011年3月まで)
    ・国府学童保育クラブ 児童支援員(2012年7月まで)
    ・玉川大学 教育学部 非常勤講師(2023年3月まで)
    ・ヨガサロン Mama Labo ヨガディレクター/インストラクター(現在)
    ・玉川学園secondary 非常勤講師(現在)
    ・YAMAHA 平塚中原教室・平塚教室 ヨガインストラクター(2023年3月まで)
    ・玉川大学 TAP センター 非常勤講師(2023年3月まで)
    ・玉川大学 教育学部 講師(現在)
     玉川大学 TAPセンター 兼担(現在)
     玉川大学 健康教育研究センター 兼担(現在)
  • 著書:
    ・『考える力を高める体験学習』 玉川大学出版部 2007 共著
    ・『教養としての健康・スポーツ』 玉川大学出版部 2017 共著
  • 学会活動:
    ・日本体操学会
    ・教育実践学会