日本教育学会第58回大会実行委員会事務局回想

2016.11.01
有賀 亮

1999年9月に日本教育学会第58回大会が3日間にわたり、玉川大学文学部が主催者となって本学で開催されました。大会に携わった教員が私一人になったこともあり、ここにその準備の流れを書き記しておくことにします。なお、日本教育学会は当時会員数3,000名に及ぶ学会で、その大会も3日間開催され、準備にも1年以上かかり、予算も1千万にも及ぶ金額が動く大規模な大会です。
1998年8月末、香川大学に玉川大学文学部長・米山弘先生と出向き、大会総会で大会受諾を伝えました。その後、事務局の運営に関して詳細を知るために、私は1997年度の大会校である日本大学文理学部に出向き、いろいろな資料や情報をいただきました。9月には米山先生を大会実行委員会委員長とする大会実行委員会を立ち上げました。10月26日、香川大学からの大会引継ぎのために日本教育学会事務局に、米山委員長と私が出向きました。2時間にわたり香川大学から1年間の事務局・大会委員会の運営に関する詳細な話と段ボール二箱分の資料をいただきました。私は既に日本大学からこの大会の運営が並々ならぬものであるということを聞かされておりましたが、改めて香川大学のお話や資料から繁多な仕事であるということを認識したということです。
その後委員長の強い要請もありまして、若輩者ではありますが、急ぎ私が事務局長を引き受けることになりました。それは、11月中に正式に事務局(口座開設・専用電話・部屋)を立ち上げなければ大会運営の補助金が送金されないからです。11月20日、何とか日本教育学会事務局より大会事務局口座に大会運営の助成金として100万が送金されました。
この間、私にはもう一つ大事な仕事がありました。大会運営校の企画としてシンポジウムを企画立案しなければならなかったのです。そのシンポジウムの企画と事務局の体制を学会の理事会に承認してもらうことにより初めて正式に大会実行委員会がスタートできるのです。
そこでシンポジウムに関しては、大会初日のシンポジウムを俵木浩太郎先生が「政治と教育」、二日目の全体シンポジウムを米山弘先生が「20世紀、日本の教育は何を為しえたか」、最終日の公開シンポジウムを髙橋靖直先生が「学校教育のあり方を問う」として企画立案されました。各シンポジウムのパネリストとの交渉などの事務的な処理は事務局でサポートしましたが、諸先生方にはお忙しい中でシンポジウムの企画を立案していただいた次第です。先生方には大変なご尽力をいただきましたことを改めてここに記しておきたいと思います。
このシンポジウムの企画と事務局の体制を含めた大会企画書を作成し、翌12月7日と翌年1月18日の学会理事会に米山先生と私が出席し、これらについて理事にご説明し理事会の了承を取り付けた次第です。
最後に、この大会実行委員会委員として大会運営にお力添えをいただきました元玉川大学教授の関口準先生並びに岩崎婉子先生、現在早稲田大学教授の佐藤隆之先生に対して深謝の意を表したいと思います。
なお、後半部分に関しましてはいつか機会がありました際にお話できればと思っております。

プロフィール

  • 通信教育部 教育学部教育学科 教授
  • 玉川大学大学院博士課程満期退学
    早稲田大学大学院博士課程修了 博士(人間科学)
  • 玉川学園学術研究所、玉川学園女子短期大学を経て現職。
  • 専門分野に関しては、教育学における西洋教育史・教育哲学を中心に研究を進めていましたが、近年はそれに加えて教育工学における授業研究(分析)の研究も進めています。
  • 著書:『ペスタロッチー・フレーベル事典』(共著)、『教師論』(共著)、『新説教育の原理』(共著)
  • 学会活動:日本教育学会、日本教育工学会、日本教育心理学会 会員