ヨーロッパ発達心理学会に参加して

2018.02.05
高平 小百合

ヨーロッパ発達心理学会は,2 年に一度ヨーロッパ各地で開かれるが,比較的小さい学会であるため,若手研究者や大学院生のポスター発表の場として,多くの日本人が参加している。今回は,オランダ・ユトレヒト市にあるユトレヒト大学で開催された。創立は1636 年でノーベル賞受賞者を12 名も排出した,オランダの中でも屈指の名門大学である。

ユトレヒトへ

ユトレヒトについたのは,現地時間の午後5 時頃(日本時間午前0 時)であった。8 月末のオランダの日差しは思ったより強く,11時間半のフライト中一度も仮眠を取らなかった私にとっては,疲れと,眠気を催すには充分だった。夜は,軽い食事をとって午後9 時には眠りについた。しかし,そのためか目覚めたのは午前2 時(日本時間午前9 時)で,それ以降眠れそうにはなかった。時差は意外と手ごわく,逆らうとこちらがイライラして逆効果であるため,頭がすっきりしているのを幸いと仕事メールを片付け,論文を読む。

学会レセプション

学会が始まる日には,夕方から学会主催のウェルカム・レセプションが開催される。これは,無料で学会参加者はだれでも参加でき,その土地の歴史的建造物や時には美術館や城の中など普段は入れないような場所で行われることが多い。今回も中世の面影を残すユトレヒト大聖堂の美しい中庭で行われた。

学会発表:シンポジウム

所属学会の若手研究者の発表の場として,近年私が行っている研究テーマに即したシンポジウムを企画し司会を行った。メンバーは国際学会であるため,3 カ国(アメリカ・台湾・日本)6 名(所属大学:カリフォルニア大学・台湾中元大学・広島大学・金沢大学・江戸川大学・玉川大学)で国際色豊かな構成となった。そのため,多様な意見や研究成果に触れることができ,非常に有意義なシンポジウムであった。

研究者との交流

学会中は,シンポジウム会場やポスターセッションの会議場で様々な研究者と出会う機会がある。台湾人のS 先生とともに,フランス人とアルメニア人の研究者との発達障害に関する研究についての意見交換は非常に勉強になった。このように,専門分野はもちろんのこと,専門分野以外でも興味を共有する世界各国の研究者との交流が,国際学会に参加することの醍醐味でもある。