SDGsへの取り組み

LED農園®が実現する食料の安定供給

2021.05.13

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  • パートナーシップで目標を達成 17. パートナーシップで目標を達成

世界規模で頻発する自然災害は農産物の収穫量を減らし、飢餓問題や価格の高騰を招いています。また農耕地拡大のための自然環境破壊も拡大の一途をたどっています。日本でも農業従事者の高齢化による労働力不足、食料自給率の低下など、さまざまな問題を抱えています。

玉川大学ではこれらの諸問題を解決するため、「完全人工光型植物工場」の研究を進めています。この植物工場の最大の特徴は「完全閉鎖型の施設内でLEDを光源とした作物を栽培すること」です。施設内部は、土を一切使用しない水耕栽培により清潔が保たれ、無農薬での栽培を実現しています。温度や湿度、二酸化炭素濃度そしてLEDによって光についても人工的に制御が可能なため露地栽培のように気候や天候に左右されず、年間を通して作物に最適な環境を作り出すことができ、成長を早め、安定供給を実現しています。また限られた面積の中でも、栽培棚を重層化することで増収も見込めます。LEDを光源とすることで太陽光と異なり、光の色=波長を調整することができます。リーフレタスでは照射する光の色によって栄養価や味、食感を変えることができ、これによって高付加価値な野菜の生産が可能となります。

この植物工場は2013年コートジボワール農業省関係者の視察を受け、同年12月には現地に招かれ、研究成果の講演が行われました。今後は地球上の作物栽培が厳しい環境や地域や、宇宙ステーションといった閉鎖空間での活用が期待されています。