SDGsへの取り組み

SDGsを意識した新校舎「Consilience Hall 2020」

2021.05.13

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玉川大学が新時代の「全人教育」の展開として、科学技術と芸術の融合をめざす本学独自の「ESTEAM教育」。「ESTEAM教育」とは、科学(Science)、技術 (Technology)、工学(Engineering)、文化・芸術(Arts)、数学 (Mathematics)を統合的に教える「STEAM教育」 に、ELF(English as a Lingua Franca:共通語としての英語)を融合するものです。

「Consilience Hall 2020」は、2021年4月から運用を開始しました。この新校舎は、「Consilience=知の融合」の名前どおり、異なる学問分野が、出会い、融合する場をコンセプトとしており、主に工学部・農学部・芸術学部が利用します。
玉川大学が進めている「ESTEAM教育」の中核施設の一つであり、全人教育をベースとした「デザインシンキング(課題解決型のプロジェクト学修)」を実践していくための基礎実験拠点としての役割を担います。
1階には、陶芸工房、Glass Blowing Workshop(ガラス工房)、再生エネルギーによる次世代型車両制作が行えるNEXTGen. Mobility Workshop(ケムカー工房)など5つのアトリエを配置、2階は講義室、3階には学生ラウンジやアクティブ・ラーニングを推進するTEALルーム(Technology Enabled Active Learning)、4・5階は実験室を配置しています。

この新校舎には次世代への期待や発展の願いを込め、随所にアイデアや工夫を施しています。
建物の外装は、“Consilience”から想起された“紡ぐ”をキーワードに、ルーバーや構造材、設備配管が規則正しく組み合ったモダンなデザインを採用。光や風を効率的に取り入れ、環境負荷低減を図った、省エネルギーに寄与できる設計となっています。この他にも「Consilience Hall 2020」にはさまざまな試みがちりばめられており、その具体例をご紹介します。

ガラス窓面の工夫

建物はエコガラスであるLow-Eガラスを採用し、断熱性能の向上を図っています。各窓面には遮光性能の確保のためブラインドボックスが設けられています

ジェンダー配慮

2階には男子トイレ側、女子トイレ側それぞれに多機能トイレを設置。LGBTにも配慮したユニバーサルデザインとなっています。

放射空調

環境向上を意識し、快適性と省エネルギー性を両立した、放射空調システムを採用。

水資源の有効活用

節水型衛生器具を採用することで水資源の有効活用を図っています。また、外構の雨水処理は雨水浸透桝・浸透側溝を設置することで、水の循環に配慮しています。

光ダクト

屋上にあるトップライトからダクトを通して自然光を取り込み、反射率の高い鏡面パネルにより廊下に導かれます。周辺の照明は光ダクトの明るさと連動して点灯 / 消灯するため、省エネルギーに寄与しています。

長期利用への備え

天井を貼らず、将来配管スリーブを配置することで設備機器の更新性の向上や、授業や学修環境の変化への対応に配慮しています。

知的生産性を高める建築空間

ホワイトボードや掲示板を随所に設置したラウンジは、学生同士の情報交換、コミュニケーションの場として活用されます。

非常時のエネルギー

太陽光発電や非常用発電を設置し、非常時のエネルギー資源確保を図っています。

免震構造

学生の安全確保と教育研究活動の継続性に配慮し、免震構造を採用。

これらの取り組みにより、水資源の有効活用においては、約70%の節約が見込まれ、建物の全体としてのエネルギー使用量は、一般的な理工大学校舎より約20%削減を実現します。

「SCIENCE HALL(大学6号館)」、「ELF Study Hall 2015」、「University Concert Hall 2016」、そして昨年運用が開始された「STREAM Hall 2019」に続き、2021年竣功した「Consilience Hall 2020」によって、「ESTEAMエリア」が完成しました。
この「ESTEAMエリア」は、それぞれの学部が知恵を出し合い、刺激し合うことで、新しい価値の創出をめざした学びが展開されます。
学生たちが異分野融合の学修を通して得た知識・技能は、Society 5.0時代に必要不可欠なものです。彼らの活躍は必ずや社会貢献へとつながるでしょう。

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