開講科目

導入科目

アカデミック・リテラシー(2単位)

人間の営みを分析していく研究方法として、人間の意識や行動を数値化して検討する量的研究がある。具体的には、研究仮説の立て方、仮説に対応したデータの収集の仕方、データの数値化とデータに対する統計処理の仕方、また研究目的や仮説の観点から統計処理の結果を解釈・考察する仕方、論文への記載の仕方、などを本科目で扱っていく。本科目を通して、論文を作成する際に必要な量的研究の基礎的知識を獲得し、各自が研究を効果的に遂行できるようにする。また、他者の研究についても批判的に検討することができるようにする。

ELF 500(2単位)

ELF 500 This course is designed to develop students’academic literacy in English. Students are expected to acquire skills necessary for academic presentations as well as writing in their areas of specialty.
It is primarily designed for 1st year graduate students of Humanities, although graduate students in other disciplines as well as qualified undergraduate students may enroll with permission.

専門科目

人間学研究(2単位)

「人間とは何か?」という問いは、古くて新しい問いである。古来から、「人間」については探究のテーマとされてきたが、近代にいたって「人間」はあらゆる人文科学の準拠点とされた。こうした変化が何を意味するのか、またいかにして生じたのかが問い直されなくてはならない。しかし、現代では、こうした中心化された人間学は、諸科学の発展によって分散化し、多様な人間学が構想され始めている。これは、現代における人間の地位にも関連している。この講義では、現代における人間学の知見を解明することによって、人間の現代的な状況を理解する。

現代社会研究(2単位)

現代社会の諸相や政策を多様な角度から分析する。取り上げるテーマは、現代の社会力学および社会倫理、現代と人間を取り巻く課題(宗教・政治など)、現代の教育課題および教育政策、現代社会における言語と文化、現代社会と研究倫理である。
主なテーマは

  1. 現代の社会力学および社会倫理
  2. 現代の人間を取り巻く課題(宗教・政治など)
  3. 現代の教育課題および教育政策
  4. 現代社会における言語と文化
  5. 現代社会と研究倫理

思想文化研究(2単位)

古くは中国から学び、明治以降は積極的に欧米から学問を移入し、今日を迎えた日本において、「思想」とは何か、「文化」とは何かについて考え、グローバル化が進行しつつある現代社会における「思想」および「文化」の未来について展望する。多様な世界および文化圏が混ざり合っていく中で、「思想」と「文化」がどのように形成されてきたのかについて歴史的・哲学的に理解を深める。授業は主として講義および討議によって理解を深めていく。

思想文化演習(2単位)

「思想」とは何か、「文化」とは何かについて、文献講読を手がかりに参加者間で討議を積み重ねることを通じて考えるとともに、思想としての「人間」、文化としての「人間」について考察する。今年度は18世紀ドイツ近代の「人間」観を取り上げることとし、カントの「実用的見地における人間学」に認められる「人間」、中でも認識能力の項の精読をもとに浮き彫りとなる「人間」について理解を深める。

西洋思想史研究(2単位)

ヨーロッパにおける「思想」および「文化」の言説の歴史について考察する。この研究領域において1980年代以降ドイツ・ベルリン学派を中心とした欧米の歴史的人間学的研究の蓄積からいくつかのテーマを選び出して紹介・検討し、「思想」の歴史性と多様性を具体的事例に当てはめながら実感的に掴まえていく。

表象文化研究(2単位)

現在、世界規模での社会変動によって、文化状況も加速度的に多様化し、流動化しつつある。こうした現代文化の変容の中で、「表象」の分析という観点から、文化事象全般に対してアプローチするのが、この講義である。そのため、この講義では、文化的事象を孤立した静的対象として扱うのではなく、それが生産され流通し消費される関係性の空間を問題にし、政治的でダイナミックな行為の空間の生成と構造を考察する。

社会倫理学研究(2単位)

倫理学はアリストテレス以来、社会的な規範の学と考えられてきた。したがって、倫理学の諸問題を解明するためには、社会的な観点が必要不可欠である。人間が社会において存在する限り、倫理学は社会倫理学として考察しなくてはならない。従来、倫理学を考えるとき、個人主義的な内面的道徳からアプローチされてきた。しかし、この講義では、人間が他の人々と織りなす社会的連関から、具体的な倫理的問題を明らかにしていく。社会倫理学は、もともと学際的研究であるかぎり、政治学や経済学、社会学や法学の知見を参照しながら、現代社会における倫理学の意義を確認する必要があるだろう。

応用倫理学演習(2単位)

応用倫理学(Applied Ethics)は、一般には、特定領域に既存の規範倫理学を適用し、その領域での倫理的問題に一定の解決を図ろうとするものである。しかし、その領域にそもそもどのような規範倫理が適用できるのかという根本的な問題が生じることも、さらに既存の倫理規範やその下にある世界観の捉え直しが生じることもある。
上記の観点を踏まえつつ、「応用倫理学演習」では、生命倫理・医療倫理・環境倫理と関係の深い領域として「生命」を取り上げ、倫理学の射程とその変化、倫理学と自然観・自然科学・生命科学・人間学との関連を理解する。現代社会のなかでの倫理的なもの変化を明確にすることをめざす。

倫理思想史研究(2単位)

倫理学を理解するためには、まず倫理学がどう始まったのか、倫理学は何を問題にしたのか、いかなる観点から問題にアプローチしたのか、またどのような解答を与えてきたのか、について理解しなくてはならない。そのために、古代から現代にいたるまでの倫理学の歴史を概観し、基本的な立場として現在でも意義あるものは何か、を詳細に検討する。こうした考察は、たんに歴史的な考察にとどまらず、今後私たちが倫理学を構想するとき、きわめて重要なヒントを提供するはずである。倫理学史を理解することは、同時に倫理学そのものを理解することでもある。

現代倫理学研究(2単位)

現代社会は、ポストモダン時代と呼ばれ、価値の多様化ないし虚無化が進行しつつある。今まで信じられてきた価値は、根本から信用をなくし、人々の間では信頼感が崩壊し、道徳的規範は失墜してしまった。こうした時代に、倫理学はいったい何ができるのか。こうした問題意識のもとで、倫理学の現代的な意義を検討する。この講義では、現在ドイツやフランス、イギリスやアメリカで展開されている議論を紹介するとともに、イタリアの論争などにも触れ、倫理学の今後の展望を解説する。

認知行動研究(2単位)

人間は多様な刺激のなかから、どのようにして特定の対象を知覚・認識・判断しているのか。人間が行動するとき、何に関心を持ち、何を目的としているのか。そのとき、意識はいかなる働きをし、また言語はどのように関与しているのか。人間の認知行動を、ある種の情報処理システムとみなし、心理学、認知科学、情報科学などの知見を参照し、人間の認知と行動の特質を明らかにする。

認知行動演習(2単位)

人間の認知行動に関する諸問題の中から特に意思決定の問題を取り上げる。意思決定(行動選択)の説明モデルとして、欲望ベースの説明モデルと判断ベースの説明モデルのどちらが適切なのかという問題を、意志の弱さ(アクラシア)という現象に即して考える。また、日常の行動選択において大きな役割が与えられている意志力という概念を、実証的データにもとづいて、定量的に明確にする試みを検討する。さらに、現代社会において自己コントロールが過度に尊重されることがもたらす様々な副作用的現象についても考察する。文献講読とディスカッションを中心に授業を行う。

認知論史研究(2単位)

古代の哲学的認識論からフロイトの理論に至る認知論の歴史を、現代認知科学成立の前史として、概観する。認知論の歴史のトピックとして以下のものを取り上げる。アリストテレスにおける理論知と実践知の分離、デカルトにおける表象概念の成立、思考を計算と見なすホッブズの理論、徹底した経験論者として認識論の自然化を行ったヒューム、カントによる認知の形式化の試み、ヴントの実験的方法、フレーゲによる計算機革命の基礎付け、ジェームズによる機能主義の明確化、そして、フロイトにおける学際的・包括的な心のモデルの提示。これらの歴史が現代認知科学の基盤を用意したことを確認すると同時に、認知科学に汲み尽くされていない豊富な認知論的知見の可能性を含むことについても考察する。

人間行動学研究(2単位)

人間行動は、その基底になる物質過程・生命過程・生理過程・心理過程・集団過程・社会過程へと複雑・高度な段階にいたるさまざまなレベルの重層過程を含んでおり、また各レベルでの行動体系は、それぞれ固有の特性を示し、独自の法則に従っている。こうした物質から社会行動までの全体系の系列のなかで行動の概念を、それぞれのレベルでの形態毎に規定してゆくことが人間行動学の課題である。
「人間行動学研究」では、まず、こうした人間行動について、そのテーマと広がりを概観する。ついで、これら人間行動を「人間の記号行動」という観点からいわば縦断的に捉え返す。さらに、人間の記号行動において枢要な位置にある「言語」について、「言語行為論」に焦点を絞って検討する。

ニューロエシックス研究(2単位)

脳科学の進展に伴って、生命倫理学からニューロエシックスが成立した。ニューロエシックスには、基本的に二つの内容が含まれる。一つは、「脳神経科学の倫理学」であり、脳神経科学研究に対して倫理的な観点から制限を加えたり、指示を与えたりする。もう一つは、「倫理学の脳神経科学」といわれるものであり、倫理学的判断がいかなる脳神経の過程によって営まれているかを解明する。従来から、心と脳の関係は問われ続けてきたが、21世紀に入って新たな段階に至っている。この講義では、二つの側面からニューロエシックスの現在を確認し、未来のあり方を展望する。

実践科目

プレサービス・スタディーズA(1単位)

就業前に学外での現場体験を行い、必要な実践力を身につけることを目的とした科目である。プレサービス・スタディーズAは中等教育課程での教育実践の体験を対象とし、併設の玉川学園中学部、玉川学園高等部や近隣の中学校、高等学校、教育委員会と連携して、授業や教材作成の補助活動、そしてチーム・ティーチング等の実習を行う。
実施に当たっては、計画書の提出、事前指導、事後指導および報告書の提出が義務付けられる。受講予定者は事前に所定の期間内に、計画書を提出し研究科会であらかじめ承認を得ておくことを必要とする。

プレサービス・スタディーズB(1単位)

就業前に学外での現場体験を行い、必要な実践力を身につけることを目的とした科目である。プレサービス・スタディーズBは近年ますます重要性を増している小・中の連携と関連した教育実践の体験を対象とし、併設の玉川学園小学部や近隣の小学校、教育委員会と連携して、授業や教材作成の補助活動、そしてチーム・ティーチング等の実習を行う。
実施に当たっては、計画書の提出、事前指導、事後指導および報告書の提出が義務付けられる。受講予定者は事前に所定の期間内に、計画書を提出し研究科会であらかじめ承認を得ておくことを必要とする。

研究科目

研究指導Ⅰ(2単位)

この研究指導Ⅰで行うのは、実際に修士論文を執筆するに先立って、必要不可欠な文献を集め、論文全体の構想を練り上げることである。まず、研究テーマを設定し、それに関する基本文献を確定する。つぎに、研究テーマに関連した重要な基本文献を収集し、その内容を検討整理しておく。他方、基本文献については、集中的に読解し、テキストの構造を理解するように努めなくてはならない。こうした準備作業を行いながら、修士論文の全体的な構想を着想し、各部分について簡単なメモを作っておく。こうしたメモを参考にしながら、修士論文を概略的な目次を作成する。

研究指導Ⅱ(2単位)

研究指導Ⅱでは、実際に論文を書き上げるに当たって、内容を検討するだけでなく、論文の書き方を個別的に指導する。まず、修士論文における問題設定について、その意義と研究史を踏まえ、その上でオリジナルな議論をどう作っていくかを指導する。つぎに、論文の各部分の内容を厳密に検討するとともに、論文の書き方そのものについてもチェックする。また、参考文献の引用について、必要な文献が適切に引用されているかどうかを確認する。さらに、研究論文として、研究者倫理をきちんと遵守しているかどうかをも問題にする。出来上がった論文については、第3者的な立場から、自己批評させ、論文の客観性を確保するように努める。