JAAL in JACET 学会発表レポート

文学研究科 英語教育専攻 修士1年 渡會剛士

私は2023年12月2日にお茶の水女子大学で開かれた、第6回 JAAL in JACET学術交流集会で、「英語教職課程の学生の辞書指導に関する意識調査 -紙の辞書・電子辞書・オンライン辞書の比較を通して-」というテーマで研究発表を行いました。今回の研究テーマに至った背景としては、オンライン辞書を含めた辞書指導に関する近年の先行研究が少なく、特に英語教職課程の学生を対象にした研究はほとんど行われていないという現状が挙げられます。そこで、「英語教職課程の学生は中学校及び高校における辞書指導についてどのような意識を有しているのか」というリサーチクエスチョンを設定し、各形態の辞書に関する意識と、学生自身の辞書指導力という2観点から考察しました。

まず、各形態の辞書に関する意識については、中高ともに電子辞書を使わせることが最も好まれており、特に高校においてその傾向が顕著であることが分かりました。また、紙の辞書について中高で比較したときには中学校の方が使わせたいという回答が多く、オンライン辞書については高校の方が多いという結果になりました。次に、学生自身の辞書指導力については、自信度が高い項目として、辞書をより良く使うための工夫や、授業を円滑に進めるためのマネジメントが多く挙げられました。また、辞書指導に自信がある人の割合はとても少なく、特に目標単語に関する付加的な情報の確認方法を指導することにおいてその傾向が顕著であることも分かりました。

学会発表を終えた感想としては、数か月間準備してきたことが報われたという達成感を得られたと同時に、研究者としてはまだまだ未熟であることを痛感しました。また、研究指導担当の森本先生をはじめ、玉川大学の先生方から発表の前後で温かいお言葉を頂き、本当に恵まれた環境で研究させて頂いていることを改めて感じました。今回の経験を今後の研究活動に活かしながら、修士論文の執筆に向けて益々精進していきたいと思います。