2015年・春 花粉症ついて

花粉症の人は、どのぐらいいるのでしょうか?
平成19年に行われた東京都福祉保健局のアンケート調査では、都内のスギ花粉症の推定有病率が 28.2%であり、昭和 58~62 年度の第 1 回調査からの約20 年間 で 18.2 ポイント上昇したことが明らかになりました。しかも近年、これまで最も多かった30代から50代の人の有病率の増加より、14歳以下の若年層の有病率が増えるという「花粉症発症の若年化」がうかがえるという結果がでています。この調査は症状アンケートですから、有病率はやや高めにでる可能性もありますが、東京都では5人に1人以上が花粉症の症状を持ち、かつ、若年化という問題も懸念されています。

花粉症が起こる理由

花粉が鼻や喉から粘膜内に入ると、これを"異物(侵入者)"ととらえて免疫機構が作動し、今度花粉が侵入したときに備えて、花粉専門に反応する抗体(IgE抗体)が作られます。次に花粉が侵入すると、この優秀な抗体は素早く粘膜防衛前線にいる「肥満細胞」に結合し、細胞の中のヒスタミンなどの化学物質を放出させ、くしゃみや鼻水を誘発して侵入者(花粉)を洗い流そうとします。つまり、過剰な防御反応が花粉症の症状となっているわけです。

花粉症の治療

花粉症の治療には、症状を和らげる対症療法と、根本治療があります。

対症療法: 内服薬(抗ヒスタミン薬など) 点眼、点鼻薬などによる局所療法 鼻粘膜への手術療法

根治療法: 原因抗原(花粉など)の除去と回避 減感作療法(抗原特異的免疫療法)

花粉症を防ぐ基本は「花粉を身体に侵入させない」ことですが、マスクなどで花粉吸入をできるだけ避けるとしても、スギ花粉の増加や地球の温暖化、大気汚染などの環境要因は個人で対処できません。しかし、鼻粘膜の状態を悪化させるストレス、睡眠不足、お酒の飲みすぎを避けること、アレルギーを重くする可能性のある高タンパクや高脂肪の食生活を改善することなどは、花粉症のみでなく、万病に対する備えとなります。多忙な新年度に備えるためにも、生活習慣と体調の管理を心がけましょう。